第百十八話 闇の襲来
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ーゼンですが、リヒテンラーデは老いぼれ、クラーゼンは見かけ倒しにございますれば」
「その様なモノか」
「御意」
「さて、そろそろ皇帝の元へ参ろうではないか」
「御意」
そう言う皇太子を見るクロプシュトック侯の顔が歪むのを目撃した者は居ない。
帝国暦483年8月5日 午前9時
■ヴァルハラ星系内 演習場 ローエングラム星系警備隊旗艦ヴァナヘイム
精力的なケスラーの尽力でヴァルハラ星系の警戒はメルカッツ大将率いるローエングラム星系警備隊が1万隻の艦艇を持ってヴァルハラ星系内の演習宙域で待機していた。ヴァナヘイムは新たにメルカッツ提督に専用旗艦として下賜され、今回がメルカッツ艦隊旗艦としての初任務であった。
「諸君、我々の目的は、ヴァルハラ星系の治安を守る事にある。諸君の努力を期待する」
メルカッツの言葉に艦隊の乗組員達気合いを入れる。
「閣下、この地点からオーディン上空までは1ワープで到着可能です」
「ほう、星系内でワープを使えるのか?」
「本日は、宇宙艦隊も殆どが出払っております」
「なるほど、それならば安心だ」
「はい」
帝国暦483年8月5日 午前9時
■オーディン上空 シュワルツ・ランツェンレイター分艦隊旗艦シュワルツ・ティーゲル
オーディンの宇宙空間を真っ黒な艦隊と灰色の艦隊が遊弋している。
宇宙艦隊司令長官から、オーディンの守備を命じられた、ビッテンフェルト准将のシュワルツ・ランツェンレイター分艦隊3000隻とミッターマイヤー准将のウォルフ・デア・シュトルム分艦隊3000隻である。
「うむ。暇だ」
「閣下、暇なのは良い事ではありませんか」
「そうは言うがなオイゲン、こうなんて言うか、ケツがムズムズするって言うか」
「閣下」
「そうだ、暇ついでにミッターマイヤーにでも連絡してみるか」
「通信主任、ミッターマイヤー艦隊に繋げ」
通信が繋がりミッターマイヤーがスクリーンに現れた。
『なんのようだ?ビッテンフェルト』
「用という事じゃ無いんだが」
『なんだ?』
「いやな、凄い暇でな」
『それで、俺を呼んだのか。卿らしいと言うか何というか』
スクリーンに映るミッターマイヤーはあきれ顔である。
「それで、どうも先ほどから胸騒ぎがしてな、ケツがムズムズしやがるんだ」
『お前それは虫でもいるんじゃないか?』
「馬鹿言うな、俺の感は当たるんだ!イゼルローンでもそうやって生き延びてきた」
その言葉に考え出すミッターマイヤー。
『確かに、卿の感は当たったな。判った此方としても注意しておこう』
「頼んだぞ」
帝国暦483年8月5日 午前9時30分
■オーディン上空 ウォルフ・デア・シュトルム分艦隊旗艦
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