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剣の丘に花は咲く 
第五章 トリスタニアの休日
第一話 その男執事?
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あった。
 そういうことで服は自分で用意すると言い。時計塔に居た頃、遠坂の資金集めの一環としてやっていた執事の服を投影で作り出すことにした。それを見せるとなかなか評判がよく、一発で合格がもらえた。 
 



 ルイズだけでなく、自分の就職先も決まった士郎は、早速ルイズと共に『魅惑の妖精』亭の従業員に紹介されることになった……のはいいのだが、ちょっと……いや少し……結構大変なことになった。


 

 スカロン改めミ・マドモワゼルが、身体に両手を回し身体をクネらしながら、眼前にいる色とりどりの挑発的な服を着た少女達に向かって叫ぶ。

「最近わたしたちの『魅惑の妖精』亭の大切なお客を奪う、にっくき『カッフェ』なるものが増えつつあるわッ! ……ッ! それはとっても辛いし悲しいわ……」
「スカロン店長泣かないでッ!!」
「ちっがあああああううううッ!! 店内ではミ・マドモワゼル! ミ・マドモワゼルよ妖精さんたちッ!!」
「はいッ! ミ・マドモワゼル!」

 訓練された精兵のように、直立不動で一斉に応える少女達の姿に、満足気に頷いたスカロンは、唐突によよよ、と顔をびっしりと腕毛が生えたごつい手で顔を覆った。

「ああっ! 何て可哀想なわたしっ! 可哀想な『魅惑の妖精』亭ッ! でもッ! 泣かないわわたしっ! だってわたし女の子だもんっ!!」
「はいっ! ミ・マドモワゼル!!」

 浮かぶ涙などないのだが、スカロンは目尻を漢らしく拭う。

「でも悲しい話しだけじゃないわっ! なんと今日はあなた達に新しいお仲間が出来るのよ」

 スカロンの言葉に、少女達が顔を見合わせながらも拍手をする。

「ふふふ。じゃあ紹介するわね! ルイズちゃんいらっしゃい!」
「こ、こんな格好」

 小さく口の中でブツブツ何やら呟きながら店の奥から現れたルイズは、恥ずかしさの余り真っ白な肌を真っ赤に染上げていた。
 上着はコルセットのような身体に密着するタイプの服で、ルイズの華奢な身体の線を露わにしている。儚ささえ感じさせ、触れる事さえ躊躇ってしまいそうになるが、背はザックリと開き、下にはくスカートは膝上の高さにあり、そこから見える肌は生々しく。思わず手折っても手に入れたくなる程、危険な色気を放っていた。

「る、ルイズです。よろしくお願いします」

 プライドが高いルイズが平民に混じってこんな格好で仕事をするなどありえないことなのだが、任務だということ、資金を全部すってしまったこと、さらにこれ以上我侭を言って士郎に嫌われたくないということから、今にも暴れだしそうになる心を必死に押さえつけ頭を下げる。
 真っ赤になってぷるぷると震える姿を、緊張だと勘違いした少女達が微笑ましげな顔をしてルイズを見ている。特に問題がないことを
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