75鬼武者舞
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てからも自傷行為と自殺未遂のメンヘラスペシャリストとして育ち、無事に悪鬼羅刹で魔物憑きの忌み子に育て上げられ、虐待によっても人格が分裂してしまい、現在5重人格の舞。
本当に「あんなに楽しいこと、あれから一度もなかった」人生だった。
『ゆうくんをかえしてっ』
平仮名の多さと漢字の少なさ、一人称が「あたし」なので、置いて行かれる恐怖から幼児退行している美汐。
こちらもトラウマスイッチの数では舞に勝るとも劣らなかったが、鎧武者の装備は同じで、憑依すれば自分の体を動かすのと同じとは言え、ゴーレム操作の熟練度は桁違い。
死んだ自分の母親をゴーレムとして操作して、日々の生活や買い物から料理までさせ、近所のBBAと挨拶までさせていた。祐一が来るまで胴体の魔物が入って操り命も繋いでいたらしい。
舞が若返らせて、佐祐理が祐一と交尾させていなければ、いずれ体が腐り落ちて生きながら死んでいたフレッシュゴーレム。
その上、武道や格闘技、真剣を使っての剣術の練度では、美汐と天と地ほどの開きがあった。
剣道の段位差ではなく、本気で敵と殺し合って、魔物で化物で悪魔で鬼で怪物と命のやり取りをして、文字通り血の代償で描いて支払い積み重ね、天の上にも地獄にも財産を積み上げ、血で贖い終わった呪いで純粋な死の願い。
デスウィッシュでノーヒューチャーでリーブミーアローンでヘルナゥな舞の人生。
そこまでの差があると、勝つ可能性はゼロ。限りなくゼロではなく、本当にゼロである。
『さあ、かかって来い』
扱う体は違えども、自分の肉体の延長線上で、魔物の呪いや禁呪で作られた、他人の命を踏み躙って土台にした鬼武者。
住み慣れた魔物の肉体と同じで、他人の命を喰らって生きる化物。
空っぽの舞ではなく、魔物として10年生きて来た舞が振るう、爪で棘で角で牙で背びれ、更に今は熟練の剣士で腰に剣まで携えている。
他の女達のように苦痛の対価を一銭も、血の一滴足りとも支払っていない有象無象に負ける可能性もゼロだった。
『ああ、やっぱりそうなんだ、ハハハハ』
佐祐理、舞、栞、美汐、真琴二人、何度も死んでいるメンバーも、新入りの香里も、天使の人形が扱っている壊れない、壊さないフレッシュゴーレムでもある。自由意志と妖力は持たされているらしい。
天使の人形も、あゆにだけはその汚らしい復活方法を許可していない。
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