第三章
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しかし台風はあまりにも大きくて普通の人達ではどうにもならないのは明らかでした。しかしそこにでした。
突如としてです、あの声が聞こえてきました。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「!あの声は!」
「まさか!」
その声は銀閣寺の方からでした、自衛官の人達はそちらを見ますと。
銀閣寺の一番上のところにでした、黄金バットがいました。いつもの様に仁王立ちでマントをたなびかせ両手は腰にあります。
そしてです、そこから颯爽と飛び上がってでした。そうしてです。
竜巻に向かっていってでした、その右手にステッキを出して先から銀色に輝く光線を放ちました。その光線がです。
竜巻を直撃しました、すると。
巨大な竜巻が一瞬にしてでした、消え失せてしまいました。自衛官の人達もそれを見て目を丸くさせました。
「あの竜巻が一瞬でか」
「一瞬で消えてしまったぞ」
「いつもながら何て力だ」
「何という不思議で凄い力なんだ」
誰もが驚きました、そして。
竜巻を消し去った黄金バットは何処かへと飛び去ってしまいました、やはりいつもの様に誰も知らない場所に。
自衛隊の人達はその黄金バットが飛び去った方を見て暫し呆然となっていました、ですが。
暫く経ってからです、隊長さんが言いました。
「これはだ」
「はい、またですね」
「黄金バットが助けてくれましたね」
「銀閣寺を」
「そうしてくれましたね」
「そして我々もだ」
隊長さんは部下の人達にこうも言いました。
「助けてくれた」
「若し竜巻があのまま来ましたら」
「その時は」
「もうどうなっていたか」
「それをだ」
まさにというのです。
「黄金バットは助けてくれたんだ」
「まさに風の様に出て来て」
「そして不思議な凄い力でですね」
「しかもそのことを誇ることなく」
「何処かに去って行きましたね」
「正体は誰も知らないが本当に素晴らしい」
隊長さんのこのお言葉はしみじみとしたものでした。
「まさに我々の救世主だ」
「全くですね」
「何処の誰かは誰も知らないですが」
「黄金バットは我々の救世主です」
「危機に現れてくれて救ってくれる」
「最高のヒーローです」
「全くだ、そして」
見ればです、竜巻が消えて。
それまで暗く重くまるでこの世の終わりの様になっていたお空がすっかり晴れ渡っていました、まるで台風が終わった後の様に。
そのお空を見てです、隊長さんは言いました。
「空も変わったな」
「警報は解除されました」
「全ての地域の警報、注意報が今しがた解除されました」
「日本の気圧配置も変わりました」
「通常に戻りました」
次々とです、報告が届きました。
「もう竜巻は起こらないです」
「これでもう」
「そうか
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