第百二十四話 夏休みの宿題その十
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「気分転換ならね」
「それ飲むんだね」
「そうするわ」
「じゃあこっちに日本酒持って来るよ」
僕は食堂に行ってと言った。
「そうしてくるよ」
「いえ、私が行くわ」
「詩織さんが自分で行くんだ」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「肴もね」
「持って来るんだ」
「梅干がいいかしら」
お酒の肴、つまりあてはというのだ。
「あっさりとね」
「ああ、梅干ね」
「あれで飲むといいでしょ」
「あっさりしてるね」
僕も嫌いじゃない、それならだ。
「それじゃあね」
「ちょっと行って来るわ」
自分で食堂の方にというのだ。
「それじゃあね」
「うん、じゃあね」
僕は暫く書斎で一人で待つことにした、詩織さんは実際に自分だけで食堂の方に行った。そして五分程してだった。
一升瓶とコップ、それに梅干のパックとお箸にお皿をだ。トレーの上に乗せて持ってきた。そうして僕に言ってきた。
「もう気分転換をするのなら」
「それならなんだ」
「徹底的に飲んでね」
そうしてというのだ。
「頭切り替えるわ」
「うん、そうしたらいいよ」
「頭切り替えて何かきたら」
「歌の?」
「それが来たらね」
その時はというのだ。
「一気に作詞作曲をするわ」
「そうするんだね」
「二日半だけれどさ」
詩織さんが自分で決めたリミットはだ。
「早ければ早いだけいいから」
「終わらせるには」
「その方が気持ちがいいでしょ」
「重荷はすぐに下ろすべきだね」
「勿論いい出来にしないといけないけれど」
それでというのだ。
「早いうちにしたいから」
「だから」
「そうよ」
「それでなんだね」
「ちょっと思いきり飲むわ」
一升瓶にその意気込みが出ていた。
「これからね」
「一升空ける?」
「空けられたらね」
「それはまた」
「そこまで空けたら」
「気分転換になるだろうね」
「それが狙いよ、もうこうなったら」
破れかぶれ、そんなものが出ている言葉だった。
「飲んでやるわよ」
「それじゃあ飲んでね」
「そうするわ、義和君も飲む?」
「いや、僕はいいよ」
お誘いは断った、夏休みでもうやることは全部終わって気持ちが楽になっている。けれど今は飲む気分でなくて断った。
「今はね」
「そうなの」
「一人で飲むといいよ」
飲む方はと返した。
「僕はここにいるけれどね」
「じゃあ飲ませてもらうわね」
「どうぞ」
「それじゃあ」
詩織さんも応えてだ、そしてだった。
実際に飲みはじめた、飲む勢いは凄くて。
あっという間にコップ一杯開けて二杯三杯と飲む、梅干を食べるよりも飲む勢いの方が凄い感じだった。
そしてだ、詩織さんは飲みつつこんなことを言ってきた。
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