暁 〜小説投稿サイト〜
八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第百二十四話 夏休みの宿題その十
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「気分転換ならね」
「それ飲むんだね」
「そうするわ」
「じゃあこっちに日本酒持って来るよ」
 僕は食堂に行ってと言った。
「そうしてくるよ」
「いえ、私が行くわ」
「詩織さんが自分で行くんだ」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「肴もね」
「持って来るんだ」
「梅干がいいかしら」
 お酒の肴、つまりあてはというのだ。
「あっさりとね」
「ああ、梅干ね」
「あれで飲むといいでしょ」
「あっさりしてるね」
 僕も嫌いじゃない、それならだ。
「それじゃあね」
「ちょっと行って来るわ」
 自分で食堂の方にというのだ。
「それじゃあね」
「うん、じゃあね」
 僕は暫く書斎で一人で待つことにした、詩織さんは実際に自分だけで食堂の方に行った。そして五分程してだった。
 一升瓶とコップ、それに梅干のパックとお箸にお皿をだ。トレーの上に乗せて持ってきた。そうして僕に言ってきた。
「もう気分転換をするのなら」
「それならなんだ」
「徹底的に飲んでね」
 そうしてというのだ。
「頭切り替えるわ」
「うん、そうしたらいいよ」
「頭切り替えて何かきたら」
「歌の?」
「それが来たらね」 
 その時はというのだ。
「一気に作詞作曲をするわ」
「そうするんだね」
「二日半だけれどさ」
 詩織さんが自分で決めたリミットはだ。
「早ければ早いだけいいから」
「終わらせるには」
「その方が気持ちがいいでしょ」
「重荷はすぐに下ろすべきだね」
「勿論いい出来にしないといけないけれど」 
 それでというのだ。
「早いうちにしたいから」
「だから」
「そうよ」
「それでなんだね」
「ちょっと思いきり飲むわ」
 一升瓶にその意気込みが出ていた。
「これからね」
「一升空ける?」
「空けられたらね」
「それはまた」
「そこまで空けたら」
「気分転換になるだろうね」
「それが狙いよ、もうこうなったら」 
 破れかぶれ、そんなものが出ている言葉だった。
「飲んでやるわよ」
「それじゃあ飲んでね」
「そうするわ、義和君も飲む?」
「いや、僕はいいよ」
 お誘いは断った、夏休みでもうやることは全部終わって気持ちが楽になっている。けれど今は飲む気分でなくて断った。
「今はね」
「そうなの」
「一人で飲むといいよ」
 飲む方はと返した。
「僕はここにいるけれどね」
「じゃあ飲ませてもらうわね」
「どうぞ」
「それじゃあ」
 詩織さんも応えてだ、そしてだった。 
 実際に飲みはじめた、飲む勢いは凄くて。
 あっという間にコップ一杯開けて二杯三杯と飲む、梅干を食べるよりも飲む勢いの方が凄い感じだった。
 そしてだ、詩織さんは飲みつつこんなことを言ってきた。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ