ダン梨・K
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何と言うガバガバ探索……)
というわけで飛んで回っみたが、特に何も見つからない。まぁ、この程度で見つかる関係なら原作で誰か気付いてんだろって話なので俺は特になにも気にせず事の成り行きを見守る――筈だったのだけれども。俺はいい加減おうち帰ろうと帰路に就く途中で嫌なモノを見つけてしまった。
「グルルルルルルル……」
「ガウッ!グガアアアアアアッ!!」
猛き遠吠えを上げる数匹の獣たち。その獣たちは、ある人を囲ってしきりに吠えている。
のだが、囲まれている人は別段それに反撃もせず、さりとて怯えもせず、呑気にお祈りをしている。
「だいじょーぶだいじょーぶ。運命の行きつくままに何とかなる♪」
(うわぁ……もう関わりたくない感全開でうわぁ……)
少女は頭部から角が生えており、見たところ山羊っぽいので 山羊人と思われる。ピンチの少女を颯爽と救うヒーローになって吊り橋効果を狙えと言わんばかりのテンプレートな展開にドン引きを禁じ得ない。というかコレ吊り橋効果あるか?当人平気そうだし、見なかったことにしても宜しいのではないだろうか。
しかし、呑気にお祈りされながら目の前で魔物に食われる少女とか普通にSAN値減るから見たくないし、見なかったことにした結果少女の遺体が発見されましたになっても後味が悪い。何より囲んでいるのは雑魚魔物だが、一応倒せば経験値になる。
「なんか、大宇宙の法則というか大いなる意思に誘導されてる気がするけど……」
そう呟きながら、回すのは懐に忍ばせたウェポンホイール。俺の魔力を多量に吸い取ったそれはが手元に顕現させたのは、スリケン・チャクラムだ。最初は使いにくさ全開だと思っていたが、器用値の上がりが良すぎるせいで使いこなせてしまったそれを構えた俺は、全身を回転させながらチャクラムを投擲した。
「イヤーッ!!」
ゴウランガ!カラテ・シャウトと共に高い技量によって投擲された刃は愚かな獣たちの首をしめやかに刈り取り、俺の下に戻ってきた。一撃で敵は全滅である。
「ワザマエ!」
「……え?アイエエエ!?俺にチャクラムくれた似非忍者おじさんナンデ!?」
「後はチャドーの心を学ぶべし。オタッシャデー!!」
忍者おじさんは突然俺の現れ、突然去っていった。え、監視されてんの俺?というか俺の言動まで微妙に忍殺語っぽくなったのは何故だ。やっぱりあのおっさん転生者なのでは。
「っとと、それより女の子の方は……」
「車輪だ!ルー!」
「どぉぉぉおおおッ!?」
鼻先三寸に、少女の顔があった。
真正面から聞こえた無邪気な声に俺は思わず尻餅をつくほどビビった。一体いつのまに屋根の上に登ってきたというのか、先ほどまで下にいた筈のお祈りは興味津々といった様子で俺の顔を
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