第四十一話 神戸でもその十二
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「まだまだよ」
「そうじゃないですよ」
「先輩達なんかこんなものじゃないわよ」
「先輩の先輩の方々ですね」
「そうよ、前にもお話したけれど」
特に長池先輩でしょうか、あの人にどれだけ助けてもらったかわからないです。高校一年の一年間あの人と同じお部屋で本当によかったです。
「しっかりしてて優しくてね」
「いい人達なんですね」
「至らないところも何度も何度も教えてくれたし」
「そうですか」
「そんな人達と比べたら」
とてもです。
「私なんてね」
「いえいえ、僕に教えてくれてますし」
阿波野君は私ににこにことしたまま言ってきました。
「しっかりしてるのは事実ですよ」
「だといいけれど」
「はい、これからも色々と教えて下さいね」
「全く、教えさせてもらうことにはやぶさかじゃないけれど」
それでもとです、私は阿波野君にやれやれというお顔で応えました。
「阿波野君はもう少ししっかりしなさい」
「しっかりですか」
「そうよ、しっかりよ」
「もっとなんですね」
「そう、いいわね」
「おみちを進みながら努力させてもらいますね」
「そうよ、天理大学に行ける学力があっても」
私は強く言いました。
「お勉強と学問は違うっていうから」
「この場合は学問ですね」
「そうよ、学問も頑張ってね」
「そうします」
そんなお話をしているとお家が見えてきました、私の実家の八条分教会です。阿波野君はそのお家を見て言いました。
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