0178話『十五夜と甘える卯月』
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少しの間周りでみんながわいわいと騒いでいるのを眺めているとふと私の隣に一人のウサギ……もとい卯月が座ってきた。
「司令官、お月見楽しんでいるぴょん?」
「ああ。月の下でみんなと一緒にお月見をしてふと隣を見ればウサギが一匹……これで楽しめなければ損だろうな」
「うーちゃんはウサギじゃないぴょん!……でも、今日は司令官のウサギになってもいいよ?」
「また素直だな今日は……」
それで私は卯月の頭を撫でてあげる。
そして少し気持ちのいい表情をする卯月。そのまま私の肩に項垂れかかってくる。
甘えたいのかな?
「司令官の手は暖かいぴょん……」
「そうか? この手は榛名の手でもあるんだけどな」
「そういうのじゃないぴょん。しっかりと榛名さんとは別の司令官の熱が伝わってくるぴょん……とっても暖かいぴょん」
それで私も卯月と一緒に和んでいる時にふと卯月の今の恰好を見て、
「ふふ……。卯月、そのTシャツ中々似合っているじゃないか」
「そうぴょん? やったぴょん」
卯月の今のシャツには大きくサンマの字が書かれていたのだ。
「あんまり睦月型のみんなは褒めてくれなかったけど司令官に褒められたからよかったぴょん」
「独創性があっていいじゃないか」
「わかってくれるぴょん!? いやー、頑張って作った甲斐があったっぴょん」
私から理解を得られてなおの事嬉しそうに笑う卯月。
そんな卯月の笑顔が私には少し眩しいと感じてしまった。
純粋な笑みっていいものだよな……。
周りではお酒におつまみにと結構騒いでいるけどこの場所だけは少し静かに感じられる。
みんなに混ざれないのも少し悲しいけど卯月がいるだけでもいいものだよな。
「あ、司令官。お団子食べていいぴょん?」
「一つだけな。みんなの分もあるんだから」
「わかったぴょん」
それで卯月はお団子を一つ摘んで美味しそうに食べていた。
と、そこに今まで別の場所で楽しんでいたのか赤城と加賀がやってきた。
「提督。それに卯月さんも楽しんでいますか?」
「ああ。赤城たちも楽しんでいるか……?」
「はい。もう飛龍さんや蒼龍さんが隼鷹さん達に酔いつぶされてしまいましたので私達も巻き込まれないようにこちらに来ました」
「まったく……せっかくのお月見なのにお酒で台無しにするなんてもったいない子たちね……」
加賀がそれで溜息を吐いていた。
とは言いつつも赤城の手には少しお酒が握られている。
「提督、少しだけなら大丈夫ですよね。一尺しますよ?」
「それじゃ頂こうかな」
「うーちゃんも飲みたいぴょん!」
「卯月はダメよ。すぐに酔ってしまうでしょう……?」
「司令官よりは飲めるぴょん!」
「まぁそう言うなら……」
それで加賀が私と卯月にお猪口を
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