立ち位置
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ことがわかった。
「左打者は打席の1番前の真ん中部分、右は打席のど真ん中部分に立つ」
打席部分のおおよその位置に丸を付ける。通常の立ち位置とは異なるため選手たちもその意図に耳を傾ける。
「そこからホームベース方向に踏み込んで流して打つ。以上だ」
「え?でも踏み込んだら内角がますます打てなくなりますよ?」
ベースから離れることで内角球を狙うのかと思ったら、踏み込んで流して打つという指揮官に疑問をぶつける。それを聞いた青年は待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「この位置に立って内角球を投げたがるピッチャーはいるか?」
「なるほど!!」
少なからず相手はベースから離れることで内角を狙われていると思う。そのため外への投球が多くなるが実はそこが狙い目。徹底的に流して短打で点数を稼ごうと言う戦法だ。
「うまくハマるかわからないし早々に気付かれて内角を攻められるかもしれない。はっきり言って賭けだが、あの投手から点を取るにはこのくらいしないとな」
好投手だからこそ全員で攻めることが重要。それが相手へのプレッシャーになるし、チームの統一感も上がる。
「守備で流れ来てるからな。そろそろ点取れよ!!」
「「「「「はい!!」」」」」
円陣が解けて打席に向かう穂乃果。彼女は指示された通りの場所に立ち投手を見据える。
(打席の前、しかもベースから離れた位置に立っている。これは変化球が曲がる前に打とうということか?)
変化球主体のあんじゅへの対策として打席前に立ち、変化しはじめを捉えようとしていると考えた英玲奈。彼女は初球外角へのストレートで様子を見ることにした。
ビュッ
(スト・・・遠・・・)
狙い球に反応しかけたが遠かったので見送る。判定はボールで1ボールとなる。
(ストレートに反応した。ということは立ち位置は変えても狙い球は変えてないってことか?ならなぜこの立ち位置・・・)
考えられる候補はあるが、それを特定することが彼女の役割ではない。英玲奈は先頭を切るために最善の配球をしようと考えた。
(次は真ん中から外に逃げていくスライダーだ。ストレート狙いならこれで空振りを取れる)
その狙い通り腰砕けのスイングになる穂乃果。続く球も同じような攻め方をするが、今度は見送り2ボール1ストライク。
(ここは内角にストレートだ。この立ち位置なら内角狙いのはず。球1つ分ボールにすれば詰まってくれる)
剛の狙い通り内角狙いと勘違いした英玲奈は厳しいボールで詰まらせようとした。足を上げてサイドスローから放たれたボール。それは穂乃果に背中にぶつかった。
「デッドボール!!テイクワンベース!!」
踏み込んだ彼女の背中に直撃したことで一塁への進塁権を与えら
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