第四章
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稲葉に答えた。
「かえってね」
「全くですね。けれどあの雑誌は」
確かに世論の批判の嵐に晒されている。だがだというのだ。
「何か反省もしないですし相変わらずですね」
「あの雑誌もまた宗教だからね」
「悪い意味の宗教ですね」
「うん、カルトだからね」
彼等は宗教は信じていない。マルクス主義の影響がそのまま残っているからだ。マルクス主義は宗教を否定している。それでなのだ。
だがそれでも彼等は宗教を信じている。それがだというのだ。
「市民主義教とでもいうのかな」
「だからこうしてですか」
「うん、反省もしなければ行動もあらためないよ」
「そうなんですね。それじゃあ」
「この雑誌はこの雑誌。私達は私達でね」
「やっていきますか」
「うん、そうしよう。カルトはどうしようもないよ」
矢作はこう稲葉に告げてだ。そうしてだった。
彼等は科学的、そして最新の治療で患者達にあたっていくのだった。その結果多くの患者を救った。彼等は前を見てそうしていたのである。
昔ならばいいのか 完
2012・6・21
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