ペルソナ3
1837話
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もいいか。……じゃあ、頼めるか?」
「……本当にいいのか?」
何故か、桐条からは信じられないといった視線を向けられる。
おい、元々お前が俺に勧めてきたんだろうに。
「勧めてきたお前が、何で驚く?」
「いや、勧めはしたが、まさか本当に引き受けてくれる相手がいるとは、思ってもいなかったんだ。勿論、アルマーがそれを望むのであれば、すぐにでもお父様や理事長にも話を通そう。戸籍の件を何とかするには、やはり相応の手続きを踏む必要があるからな」
そう言い、俺の前から急いで立ち去ろうとするが……
「おい、元々今日は魔法の勉強をする為にやって来たんだろ。そっちはどうするんだよ?」
「あ、ああ。そうだったな。そっちも重要だった。ちょっと待ってくれ。すぐに勉強する部屋に案内する。ただ、ちょっとお父様と理事長に連絡を入れる必要があるから、待ってて欲しい」
「まぁ、それは別に構わないけど」
幾ら許可証があるとはいえ、このまま置いていかれるような事があったら、色々と面倒な事になるのは確実だ。
学校の中にいるのに、制服ではなく私服という時点で色々と怪しいのだから。
「ああ、そう言えば制服とか教科書とかその他諸々はどうすればいいんだ? 金を払えばいいのか?」
「いや、問題ない。それはこちらで用意させて貰う。ただ、一度制服の採寸をするので、今度少し時間を作って欲しいのだが、構わないか?」
「まぁ、日中なら俺は特に何かしてる訳じゃないしな」
特に今は春休みだという事も関係しているので、桐条に時間を合わせるくらいの事は何も問題はない。
「そうか、そう言ってくれるとこっちも助かる。では、早速だが勉強をやる教室に案内しよう。こっちだ」
そう言いながら、桐条は俺を連れて月光館学院の中を進む。
外にいた時は生徒の気配を殆ど感じなかったが、こうして校舎の中を歩いていると、それなりに生徒達には遭遇する。
もっとも、桐条はその容姿や家柄、そして本人の能力もあってか、憧れの対象ではあっても親しくされるという事はないらしい。
同じく人気のある女として、ゆかりがいるが、向こうはそれなりに親しみやすい相手という認識らしいが……微妙に棲み分けのようなものが出来てるんだな。
……まぁ、生徒達の多くは桐条だけではなく、俺にも視線を向けていくのだが。
桐条と一緒にいるのが、俺のような……十代半ばで、桐条より年下に見えるというのが、俺に意識を集める理由の一つだろう。
勿論制服ではなく私服で校舎内にいるというのも大きいのだろうが。
「すまないな」
3人の女子生徒がキャーキャー言いながら立ち去ったのを見ていると、不意に桐条がそんな言葉を継げてくる。
何で謝るのかは分からないで、廊下を歩きながら素直に尋ねる。
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