ウィザード・トーナメント編 前編
マーリン学園長の大変な1日
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生徒のレベルを底上げすることができる。考えてみれば良くできたシステムだ。
「確かにエンドワール学園長の言うとおり、過去にも部外者による妨害は多くあった。だが、どれも生徒に直接危害を与えるようなものではなかった。」
「なら...」
「しかし、今回は違う。今のところ学生が襲われたという情報は入っていないが、だから学生を狙って来ないと断言できるのかね?」
なるほど。つまり「事前対策するように」というのが運営側の意見ということだ。まぁ向こうの手口はおおよそ分かっているわけだから対策はできないことではないだろう。
そのあとはとくに意味のない愚痴のこぼし合いのような状況になったため、私はそこでバックレた。とにかく明日からイギリスに行くんだから何かと準備をしなければならない。「学園長会議室」から「職員室」へ移動する途中、私は不意に庭園の方に目をやる。
庭園には花に水をやる慈悲深い女神のような女生徒がいた。いつもそうだ。庭園には必ずと言っていいほどあの子がいる。この学園では授業を受けない生徒は少なくない。プライベートな時間を過ごすために学園に来ている生徒はそれなりにいる。
派閥を持つ生徒なんかは、他の派閥と差をつけるために半分経営者のような仕事をしていたりする。無論、そんな業務を一人でこなせるわけではないから、サポートのために数名の生徒がこれを手伝っている。
だが、いつも庭園にいる生徒については彼女以外はいない。庭園の花は私の魔法で季節や環境に関係なく咲き続けるようになっている。だから水をやらなければ枯れてしまうなんてこともない。だがしかし、彼女は水を与え続けるのだ。
「健気なものだ。」
そうして私は私の聖域とも言える校長室へ戻るのであった。これから起こる大騒動のことなど知る由もなく。
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