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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
マーリン学園長の大変な1日
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てその存在に名前をつけるのであれば私は「ジャック・ザ・リッパー」と名付けるだろう。


「ところで1つ質問をいいか?」


ブリッツ学園の学園長。エンドワール学園長が話に割って入ってくる。私としては早く終わって欲しいわけなんだが。


「過去にもウィザード・トーナメント開催において、部外者による問題は跡を絶たなかった。だがどれも議会で取り上げるようなものではなかった。にも関わらず今回の問題は開催前から議会に出ている。それはこの事件には何かしらの裏があるということか?」


おや、珍しく私と意見が合うようだ。私もその点には少し疑問を抱いていた。既に何十回、ひょっとしたら百回以上繰り返されているこのウィザード・トーナメントだが、毎年恒例行事の如く部外者による妨害は起こっている。それだけこの大会は影響力が強いからだ。


ブリッツ学園に至っては、学園の生徒会長が国の軍隊を指揮することができる。そして生徒会長はその年にウィザード・トーナメントで最も優秀な成績を残した生徒が任命される。


この大会によって国の命運が決められることは珍しいことではない。その気になれば生徒会長の権限で、国の国教を変えることだって可能だ。まぁ、そんな世界的に影響を与えてしまうのは生徒の概念を飛び越えていると思うから、私は「生徒会長は学園の校則を変えることができる」くらいのボーナスにしている。













ところで、みんなは思わなかったかい?
なぜ、学生たちで行われるトーナメント形式の大会だけで世界規模の影響力が生まれるのか、「まるでオリンピックみたいじゃないか」なんて思ったんじゃないかな?


そう、これはオリンピックみたいなものだ。正確に言えば「オリンピックが廃止された代わりにウィザード・トーナメントが企画された」というのが正しい。


急激に魔法が使える人が増えだし、およそ1世紀の期間で魔法が使えない人つまり「旧人」の数に追い付いたためだ。その影響力は絶大で魔法が使える「新人」にとっては旧人が行う競技がつまらなく見えるようになり、やがてオリンピックは発展の力を失った。


だが、これでは国の発展が止まってしまうと考えた頭の良い魔術師たちが思い付いたのが、魔術の祭典であるウィザード・トーナメントだったわけだ。これがオリンピックの代わりとなったため、世界中がこの行事に対して力を入れて取り組むようになった。


初期の頃は魔術士を効率良く集める方法が無かったから随分廃れたイベントだったわけだが、出場選手を魔術士育成学校から出すことによって効率良く魔術士を集められるようになったわけだ。


この祭典によって経済を発展させることができ、学校側は生徒を世界規模の魔術の祭典に参加させることで
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