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KANON 終わらない悪夢
74アイドルオンステージ
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に釘とか混ぜた大砲で解散させないと誰も逃げない。
 もしイモ引いて恥晒してからも生きるような了見の奴はおらず、姐さんの為なら散華したり火の玉になって砕けたりするのが大好きな少年達。
 姉さんの幸せを見届けに来たレディースと違って、青春のアイコンでアイドルでマドンナでベアトリーチェを失ってしまった少年たちは、アイザワユウイチを処刑するか、この場で玉砕して散華したがっていた。
 この状態を収める立場であった北川家は、入り婿の若頭と言うか親分が「え? アイザワユウイチ処分してくれんの? どうぞどうぞ、え? 契約?通報?お役目?汚れ仕事?今日耳日曜」というステキなルール違反をしてくれて、妖狐の家同士の契約無視。
 おやびんまで「若えってのはいいよなあ、何のしがらみも無く喧嘩できる。さあ、良い喧嘩見して貰おうじゃねえか?」とか言いながら、まるでわかってる人物のように一杯ヤリながら、若い奴らの一世一代の大喧嘩を見物するが、結局ムスコ掘られてムスメ孕まされた私怨である。

「お初にお目にかかりやすっ! 俺らぁ舞姐さんの家来で舎弟、北海道統一連合代表っ、夜舞組(ナイトダンスぱあてぃ)の頭ヤってるチンケな野郎でさあっ! 今晩はお日柄も良くっ、姐さんが幸せになるのを見届けに参りやしたっ!」
 既にガチ泣きして、チームや下部組織全員締めて全財産上納させ、姐さんへの祝儀として絞り出して来た舞と同世代の青年。
 出せないやつには「車売れや」で、命の次に大事な改造車まで売らせて、サイズ違いの礼服を借りるか借りパクして神社に惨状?して馳せ参じた若者たち。
 二時間目の数倍の規模に膨れ上がって倉田神社への道も大渋滞。もし火炎系の術か、稲妻系の術で発火すると、丘ごと燃え上がるようなガソリン量だった。
「イエ、ホンジツは一族ナイナイの式デシテ、オ祝イヤ参列はゴ遠慮ネガッテオルノデスガ…」
 神社関係者も、礼儀外れの格好や人数で押し掛けられて困惑していたが、天野の戦闘集団ではなく、街のゴロツキで暴力集団とは言えど、青春の熱い涙を流したままクシャクシャの札束をゴムで巻いて祝儀として差し出すような若者達には強く出られなかった。
 これだけの人数で、後ろの方から「受け取らなかったら殺す、暴れまわってアイザワユウイチを北海岸まで引き摺っていってオホーツク海に沈める」と目と心の声で語っていたので拒否もできない。
「う、受け取ってくだせえっ、俺らぁ、舞姐さんだけが憧れで目標で、こんな馬鹿な野郎共を、真っ当な道を歩かせて下さった恩人なんだっ、せめてこれだけでもっ… 汚え金じゃねえんだ、俺らが汗水たらして働いた金だぁ」
 暴力集団で、礼儀も服装も喋り方も何もなっていない反社会的な人物だが、逆らえば自分が死ぬ。
 関係者は敗北して夜舞組のヘッドに深く頭を下げ、恭しく玉串料と祝儀を受け
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