第5章:幽世と魔導師
第126話「妖からの防衛」
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「っ…いけない……!」
一方、すずかも妖が大量に接近しているのが見えた。
「(東側より西側の方が若干広い…。帝君はそのままで、アリサちゃんを奏ちゃんと合流させて守った方がいいね……)」
状況に対処するために配置を変えようと、すずかは考える。
「(…しまった…!帝君との連絡手段がない…!)」
そしてふと気づく。帝は霊術を扱えない。
……つまり、念による会話ができないという事だ。
「とりあえず、アリサちゃんと奏ちゃんに伝えて……奏ちゃんに帝君へ伝えてもらおう」
すぐに切り替え、実行する。
アリサと奏に妖が大量に接近している事を伝え、奏から帝へと伝える。
「(…優輝君達がスパルタだった理由って、こういう時のためだったのかな…?)」
終わりそうにない今の状況に、すずかは何となくそう思えた。
「……凄い……」
司の魔法を見て、誰かが代表するようにそう呟いた。
その声を聞いて、ようやく司は閉じていた目を開く。
「…ちょっと、判断を間違えたかな…」
「え……?」
冷や汗を流しながら司は呟く。
その呟きを聞いた聡は、どういう事かと声を漏らした。
「皆は校舎から絶対出ないでね。結界を張ったからだいぶ安全にはなったけど……そのせいで、妖がおびき寄せられる事になっちゃったから」
「ど、どういう事なの…?」
「…ごめんね。これから学校にやってくる奴らは、私達の力に引き寄せられて来たの。…詳しい事は後。私も行かなくちゃ」
ジュエルシードをシュラインに仕舞い、司はクラスメイトの間を縫って窓から出る。
ふわりと浮き上がった事にまたざわめきが起きる。
「本当にごめんね。原因が何かは分からないけど、皆を巻き込む形になって」
「司さん……?」
「…絶対に、護るから」
いつも何気なく会って挨拶している相手。
そんな相手に傷ついてほしくないと、司は強く想う。
「……雷の刃となりて、撃ち落とせ」
―――“Tonnerre pluie”
刹那、雷の刃が降り注ぎ、空を飛んでいた妖と、地上を跋扈していた妖を貫く。
居場所を把握していた妖を一掃したが、すぐに他の妖が出てくる。
「(……やっぱり、私達の霊力に引き寄せられてる。…優輝君は今、どこにいるの…?)」
それを見て、司は念話を優輝に繋げる。
「『優輝君!』」
『司か?随分大規模な結界を張ったみたいだけど、大丈夫なのか?』
「『うん。それよりも、優輝君は今どこに……』」
『海鳴市を散策中だ。妖が現れる原因である“幽世の門”を探している
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