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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第126話「妖からの防衛」
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く。

「(……来た)」

 そして、妖がやってくる。
 校門に現れたものとは違い、蝙蝠のような姿で飛んでいた。

「空中……ここから撃ち落とせるかな」

「えっ?」

「……穿て、“弓技・氷血の矢”」

 フォーチュンドロップを弓に変え、アリシアは霊力の矢を番える。
 そのままそれを妖に向けて放ち、命中させる。
 矢の効果で当たった所から凍り付き、妖はそのまま落下した。

「仕留めきれてない……。なのは、トドメは任せたよ」

「え、あ、うん……」

 あまりに淡々と、そしてあっさりと撃ち落としたアリシアに驚きを抱きながらも、なのはは魔力弾で妖にトドメを刺す。

「よ、容赦ないなぁ、アリシアちゃん……」

「相手は妖。人どころか動物ですらない相手だよ。油断も容赦もできない」

 はやての言葉に、アリシアは冷静に言い返す。
 尤も、アリシアは冷徹になっている訳ではない。
 初めての実戦且つ、何か間違えれば誰かが傷つく状況。
 その事に、アリシアは緊張と恐怖を押し込めようと冷静になり切っていた。
 実際は体も強張っており、冷や汗も流れている。

「連絡は終わった?なら、いつでも動けるようにしてて。……まだ、やってくるから」

 努めて冷静を保ちつつ、アリシアは正門の方へ視線を戻した。





「シッ……!」

     ザンッ!

 一方、裏門の方では奏が刀を振るっていた。
 ハンドソニックでもいいのだが、常時展開しているのとではやはり消費が違う。

「……あたし達、必要あったかしら?」

「……うーん、案外必要みたいだよ。奏ちゃんの両サイドから来てる」

 正門と裏門以外にも、普通に塀を超えてくる妖もいる。
 すずかはそれを見つけ、すぐにどう動くか考える。

「私が足場を作るから、アリサちゃんは東側を。帝君は反対側をよろしくね」

「任せなさい」

「相応の働きは見せてやる」

 すずかの指示にアリサと帝は返事する。
 それを聞いてすずかは氷の霊術を発動させ、空中に足場を作る。

「調子に乗らないようにね!」

「今までの俺とは違うから安心しろ!そっちこそしくじるなよ!」

 それを利用してアリサが、反対側へは帝が向かっていく。
 すずかは二人を少し眺めてから、やってくる妖を観察する。

「(相手は妖……初見且つ生態がわからない……。なら、一挙一動見逃さないようにしなきゃ。アリシアちゃんや椿さんと違って、私はそこまで遠距離攻撃はできないんだから)」

 戦局を見るのに長けていると、すずかは椿に言われていた。
 あまり自覚はないが、アリサや帝と比べると優れているとは思っている。
 だからこそ、二人…そして奏の援護
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