第5章:幽世と魔導師
第126話「妖からの防衛」
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
く。
「(……来た)」
そして、妖がやってくる。
校門に現れたものとは違い、蝙蝠のような姿で飛んでいた。
「空中……ここから撃ち落とせるかな」
「えっ?」
「……穿て、“弓技・氷血の矢”」
フォーチュンドロップを弓に変え、アリシアは霊力の矢を番える。
そのままそれを妖に向けて放ち、命中させる。
矢の効果で当たった所から凍り付き、妖はそのまま落下した。
「仕留めきれてない……。なのは、トドメは任せたよ」
「え、あ、うん……」
あまりに淡々と、そしてあっさりと撃ち落としたアリシアに驚きを抱きながらも、なのはは魔力弾で妖にトドメを刺す。
「よ、容赦ないなぁ、アリシアちゃん……」
「相手は妖。人どころか動物ですらない相手だよ。油断も容赦もできない」
はやての言葉に、アリシアは冷静に言い返す。
尤も、アリシアは冷徹になっている訳ではない。
初めての実戦且つ、何か間違えれば誰かが傷つく状況。
その事に、アリシアは緊張と恐怖を押し込めようと冷静になり切っていた。
実際は体も強張っており、冷や汗も流れている。
「連絡は終わった?なら、いつでも動けるようにしてて。……まだ、やってくるから」
努めて冷静を保ちつつ、アリシアは正門の方へ視線を戻した。
「シッ……!」
ザンッ!
一方、裏門の方では奏が刀を振るっていた。
ハンドソニックでもいいのだが、常時展開しているのとではやはり消費が違う。
「……あたし達、必要あったかしら?」
「……うーん、案外必要みたいだよ。奏ちゃんの両サイドから来てる」
正門と裏門以外にも、普通に塀を超えてくる妖もいる。
すずかはそれを見つけ、すぐにどう動くか考える。
「私が足場を作るから、アリサちゃんは東側を。帝君は反対側をよろしくね」
「任せなさい」
「相応の働きは見せてやる」
すずかの指示にアリサと帝は返事する。
それを聞いてすずかは氷の霊術を発動させ、空中に足場を作る。
「調子に乗らないようにね!」
「今までの俺とは違うから安心しろ!そっちこそしくじるなよ!」
それを利用してアリサが、反対側へは帝が向かっていく。
すずかは二人を少し眺めてから、やってくる妖を観察する。
「(相手は妖……初見且つ生態がわからない……。なら、一挙一動見逃さないようにしなきゃ。アリシアちゃんや椿さんと違って、私はそこまで遠距離攻撃はできないんだから)」
戦局を見るのに長けていると、すずかは椿に言われていた。
あまり自覚はないが、アリサや帝と比べると優れているとは思っている。
だからこそ、二人…そして奏の援護
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ