第5章:幽世と魔導師
第126話「妖からの防衛」
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=out side=
「先生!伏せて!!」
突然後ろから聞こえた声に、目の前の異形と対峙していた二人の教師は振り返る。
同時に、その異形…妖は声の方向に反応して飛び掛かった。
パァン!!
「シッ!」
空気が弾けるような音と共に妖は弾き飛ばされる。
声の主…優輝が事前に投げていた御札による衝撃波だ。
弾かれた妖に対し、優輝は一歩強く踏み込み、剣に変えたリヒトで一閃する。
「っ!(手応えあり。どうだ……?)」
着地と同時に即座に飛び退くように跳び、二人の教師を庇うように構えなおす。
相手は初見の相手。何があるか分からないが為の警戒だ。
「……消えた…。そこまで強い訳じゃない、のか」
「し、志導……?」
だが、妖はそのままあっさりと黒い靄のようになって消えた。
妖が消えた事で、教師の一人…榊先生が優輝に話しかける。
「今のは…それに、お前、その剣は……」
「……説明は後です。今は皆の安全確保に動いてください」
「だ、だが……」
「早く!!校舎からはできるだけ出さないように!無闇に逃げ回る方が危険です!……まだ、さっきのような奴は、やってきます……!」
何故剣を持っているのか、さっきのは一体何なのか。
二人は聞きたい事があったが、優輝はそれを押し込めて校舎の方へ追いやる。
「志導、お前はどうす―――っ!?」
ギィイイン!
もう一人の教師、近郷先生が優輝はどうするのか尋ねようとして、言葉を詰まらせる。
同時に響く金属音。また違う妖が、優輝を襲っていた。
「志導!」
「僕は大丈夫です!…ここは、言う事を聞いて守る事に専念してください」
「だが…!」
「榊先生、戻りましょう…!」
食い下がる榊先生を、近郷先生は引き留める。
「志導の言う通りなら、俺達は邪魔になります。…ここは戻るべきです」
「っ…無茶は……するなよ…!」
「分かってます…!」
そういって、二人の教師は校舎の方へと戻る。
それを視界に入れた優輝は、抑えていた妖の横に回り込み、掌底で吹き飛ばした。
「…え、優輝…?」
少し時間は戻り、優輝が飛び出した直後。
高速で飛び出したのを、聡は辛うじて優輝だと認識した。
「え、あ…斬っ…殺し、た…?」
「き、消えた…?」
そしてすぐさま斬られ、消滅した妖を見てさらに困惑する生徒達。
「皆落ち着いて!」
そこで、司が一喝するように言う。
通るような大声に、全員が司の方を見る。
「…今は、大人しく待ってて。安全が確保で
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