第三十五話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
や、明日で…………もう今日か。今日で艦娘になってから一ヶ月経ったんだっけな。どうだい?ここでの生活は?」
木曾は俺のすぐ隣で一緒にリヤカーを引いている。俺がちょっと手を右に動かせば、木曾の左手に俺の右手が触れそうだ。
「忙し過ぎてなにがなんだか分からなくなることだらけだけど、充実してるってところかな。」
流石に楽しいとは言えない。
「ただ…………なんか、余所余所しい奴等が居るかなってのを感じたかな。」
これは、鎮守府に来た初日から思っていたことだ。例えば木曾に対する長門さん以外の戦艦と赤城さん以外の空母。
時雨に対する扶桑さん。
摩耶さんに対する他の重巡などなど。
「仲良しグループとかはあるものの、基本的に他の艦種の奴とは絡まない事が多いって感じかな。」
「んー、一つ訂正な。」
木曾は俺の言葉に被せるように言った。
「この鎮守府では、駆逐艦の一部と軽巡洋艦の奴等がかなり嫌われてる感じだ。」
…………駆逐艦と軽巡洋艦が?
「そんなことない…………とは、言い切れねぇな。」
思い返すと、俺が話をする奴って、木曾、天龍、摩耶さん、神通さん、羽黒さん、間宮さん、明石さん、大淀さん、長門さんと、駆逐艦全員。
確かに、戦艦は長門さんだけだし、空母に至っては一人もいない。
「赤城さんはそんなことねぇんだけどな……。」
木曾はそう切り出して話してきた。
「うちの鎮守府は駆逐艦と軽巡洋艦がかなり強くてな?他の鎮守府なら戦艦一隻で駆逐三、四隻分くらいなんだけど、ここじゃ精々一、二隻位。それなら燃費のいい駆逐&軽巡だ。」
確かに、やけに俺達の出撃多いとは思ってたけども。
「空母の連中も弱くはねぇんだけどなぁ…………提督も気ぃ使ってんのにな。」
そういえば、俺の初陣の時に、加賀さんが質問してたっけな。
「別に仲が悪いのは良いけどさ、訓練や実戦に持ち込まないで欲しいけど…………あの頑固者どもだしなぁ。」
木曾は遠い目をしながらそう言った。
「逆にさ、ほぼ全員と仲のいいやつとか居ねぇかな?」
俺がそう言うと、木曾は「うーん…………そうだなぁ…………。」と、腕くみして悩み始めた。いや、リヤカーは引けよ重いだろ。
「あ、皐月とかは誰とでも話せるな。」
皐月?
「皐月ってーと、あの駆逐艦で僕っ子の?」
つーかこの鎮守府オレっ子僕っ子多いな。四、五人は居るぞ。
「あいつはなー、なんだろ、魔性の女とでも言おうか…………とにかく、一度話してみることをオススメするぜ。」
木曾がこう言う位だ。いい奴なんだろう。
「因みに、木曾から言わせればどんな感じな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ