第三十五話
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―二時間後―
現在、二三〇〇。
「なんで俺と木曾しか起きてねぇんだよ…………。」
他、全滅。恐らく明日の朝まで起きないものと思われる。
…………飲み過ぎだ。
俺はテーブルに突っ伏したり寝転んだりしてる春雨達を見ながら呆れ返っていた。
「さぁて、帰るとしますかね。」
木曾はさっき起きた事件のことなんて忘れてしまったかのように振る舞っていた。こちとらあのときのこと思い出しちゃって大変だったのに。
「んじゃ鳳翔さん。リヤカー貸して。こいつら運ぶから。」
と、鳳翔さんに話しかける木曾。こいつらは荷物かよ。ぶっちゃけ、俺と木曾なら運べない訳ないと思うんだけど…………。
「はいはい。店の裏にあるからね。また明日にでも取りに行くから。」
…………多分、鳳翔さんに鎮守府に顔を出して貰いたいんだろうな。意外と人懐っこい奴だ。
「んじゃ、オレはリヤカー取ってくるから、お前はそいつらを乗っける準備してくれ。」
木曾はそう言うと、店の外に出てった。
さてと、取り合えずコイツらを店の外に運び出すかね。
「千尋くん、一つだけいいかな?」
すると、鳳翔さんが後ろから話しかけてきた。
「なんすか?」
振り向くと、心配しているような様子の鳳翔さん。どうしたんだ?
「あなたは『始祖の木曾』の血を引いてる…………。だから、絶対に後悔しないこと、受け入れること、そして、抗うこと。」
はい?
いきなり鳳翔さんは、意味の分からないことを言った。『始祖の木曾』?
「どう言うことで―」
「おーい、持ってきたぞー。」
俺が言葉の真意を聴こうとしたとき、ちょうど木曾が店に入ってきた。
「ほら、そいつら乗っけるぞ。ボーッとすんなよ?」
木曾は一番玄関の近くに寝っ転がってた天龍(かろうじて下着プラス上着姿)をお姫様抱っこした。
「あ、あぁ…………。」
俺は木曾に促されるまま、近くに座っていた時雨をお姫様抱っこした。うわ、これなかなか恥ずかしい。
………………軽いな、と思った。
―商店街―
俺達は居酒屋以外の店のシャッターが閉まった商店街をリヤカーを引きながら歩いていた。殆ど人通りは無く、この変な光景は見られていない。
…………時代が時代だったら、人買いみてぇな風貌だな、と思った。
「しかし、四人が乗ったリヤカーを軽々引けるって、どんだけだよ…………。すげぇな艦娘。」
俺は誰に言うでもなくそう呟いた。
「そーい
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