第三話
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の尊大な態度……さぞ名のある家柄と見受けるが?」
「ユーシス・アルバレア。“貴族風情”の名前ごとき、覚えてもらわなくても構わんが。」
「!!!」
マキアスに睨まれた金髪の男子―――ユーシスは振り向いて名乗った。ユーシスの名を聞いたマキアスは目を見開き絶句していた。
「し、”四大名門”……。」
「東のクロイツェン州を治める”アルバレア公爵家”の……。」
「……大貴族の中の大貴族ね。」
「なるほど……噂には聞いていたが。」
「………?」
「……ふぁ………。」
ユーシスの本名を聞き他の面々がそれぞれ反応する中、カイムはユーシスを呆れながら見ていた。
「(全く、相変わらず話し方が偉そうだな。そんなんだからあの手のタイプが噛み付くんだろうに)。」
数年前のパーティで同年代だからという軽い理由で話しかけて以来、たまにバリアハートに行った時はよく一緒に行動したりしている。現当主のアルバレア公はともかく、ユーシスとその兄でありアルバレア家長男であるルーファス・アルバレアはカイムに好意的に接してくれる。
ただユーシスはあの話し方故に初対面だったり外側しか見ない人間には受けが悪い。カイムも最初はイラッとしたものだ。内面は人情があり子供に優しい人物なのだが。
「だ、だからどうした!?その大層な家名に誰もが怯むと思ったら大間違いだぞ!いいか、僕は絶対に――――」
一方マキアスはユーシスを睨んで怒鳴った後話しかけたがサラが手を叩いて中断させ、自分に注目させた。
「はいはい、そこまで。色々あるとは思うけど文句は後で聞かせてもらうわ。そろそろオリエンテーリングを始めないといけないしねー。」
「くっ………」
その言葉を聞いたマキアスは唇を噛みしめた後、サラを見つめた。
「オリエンテーリング……それって一体、何なんですか?」
「そういう野外競技があるのは聞いたことがありますが……。」
アリサと眼鏡の女子がサラに質問したその時
「(あ………)もしかして……門の所で預けたものと関係が?」
校門で預けた荷物の事を思い出した黒髪の少年は尋ねた。
「あら、いいカンしてるわね」
リィンの質問を聞いたサラは感心した後、サラは前を向いたまま後ろに下がり
「―――それじゃ、さっそく始めましょうか♪」
壁についているレバーを下ろした。その直後カイムは床が僅かに揺れたのを感じとり
「ちょいと失敬。」
「え、きゃあ!?」
咄嗟にアリサの腰を抱き、後ろにジャンプした。前を見ると床が傾斜して対応できない面々はなすすべもなく滑り落ちていった。その際、黒髪の少年が悲鳴を上げた
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