第三話
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?聞いていた話と違うな。」
「あ、あの……サラ教官?この学院の1学年のクラス数は5つだったと記憶していますが。それも各自の身分や、出身に応じたクラス分けで……。」
本来学院内に存在しない筈の組名を告げられ生徒達は困惑した。そんな中、眼鏡の女子は戸惑いながら尋ねた。
「お、さすがは首席入学。よく調べているじゃない。そう、5つのクラスがあって貴族と平民で区別されていたわ。―――あくまで”去年”まではね。」
尋ねられたサラは感心した後に答えた。
「え………」
「今年からもう一つのクラスが新たに立ち上げられたのよね〜。すなわち君達――――”身分に関係なく選ばれた”特科クラス”Z(なな)組”が。」
「特科クラス”Z組”………。」
「み、身分に関係ないって……本当なんですか?」
サラの説明を聞き、戸惑うアリサや他の生徒。その中でカイムだけは特に動揺もなく話を聞いていた。なんせ彼はオリヴァルトに頼まれこの学院に来たのだ。流石に自分の所属する事になるクラスの内容ぐらいは把握している。
「――――冗談じゃない!身分に関係ない!?そんな話は聞いていませんよ!?」
カイム以外が戸惑う中、眼鏡の男子は怒りの表情で怒鳴ってサラを睨んだ。
「えっと、確か君は……」
「マキアス・レーグニッツです!それよりもサラ教官!自分はとても納得しかねます。まさか貴族風情と一緒のクラスでやって行けと言うんですか!」
レーグニッツ……この名前に覚えがあったカイムは記憶の中の情報を引っ張りだす。カール・レーグニッツ……帝都ヘイムダル知事にして帝都庁長官である平民出身であるものの、多数の大きなプロジェクトを成功させ、帝都庁でのし上った優秀な役人である。
そしてカール・レーグニッツは革新派でありそのトップである帝国宰相ギリアス・オズボーンの盟友でもある。故にその息子である彼が貴族を嫌っていても不思議ではない。ないのだが……あの周りすら気にしない剣幕を見るに他に何か理由があるのではないか……とカイムは直感ではあるが感じていた。
「うーん、そう言われてもねぇ。同じ若者同士なんだからすぐに仲良くなれるんじゃない?」
「そ、そんなわけないでしょう!」
二人の話を聞いたマキアスは怒りの表情で反論した。どうやら完全に頭に血が上っているようだ。
「フン………………。」
するとその時金髪の男子は鼻を鳴らして黙り込んでいた。その態度にまた不機嫌になったマキアスは金髪の男子を睨みつけた。
「……君。何か文句でもあるのか?」
「別に。“平民風情”が騒がしいと思っただけだ。」
「これはこれは……どうやら大貴族のご子息殿が紛れ込んでいたようだな。そ
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