森の秘密
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ワという音が余計に俺の不安をあおってくる。
「マジかよ?。でも動かないとどうしようもないな、歩くか?」
俺は無言のまま歩いていく。
もう三十分は経っただろうか、俺は「ふうー?」と息を吐くと木の根に腰を掛けた。
「ずっと同じところを歩いてるな?」
間違いない。俺はずっと同じ道を歩いている。
最初は疑問に思っていなかったが、流石に違和感を感じたのだ。
証拠として俺がさっきオブジェクト化させて置いておいたオークの皮が目の前に落ちている。
「俺のゲームの知識としてはやはり元凶のモンスターを倒すか、時間ごとにエリアが変わっていくかだと思うんだけどなぁ」
時間はもう19時を回っている。
時間でエリアが変わるとしたら、もう変わってもいいはずだが。
勿論、そんな気配も全然微塵も感じない。
「というか?、完全にカレンとの約束を守れそうにないな」
俺はそう言いながらメニュー画面のフレンドを開くとカレン《ログイン》、ユウ《ログイン》
と表記されているのを見て、ため息をついた。
「あー!くそっ!!」
俺は叫びながら俺が腰かけていた木に拳を叩きつけた。
その時だった。
ドクン?ドクン?ドクン?
俺の拳を通じて確かな脈打つような感じが伝わったのだ。
「えっ??」
俺は思わず後退りをしてしまう。
ドクン?ドクン?ドクン?
間違いない。
俺はそれの正体に気づいてしまった。
木なんかじゃない。
俺はそれを確認し腰に付けていたノーマルソード、バックラーを装備した。
「これは蛹か?!?」
俺が探していた元凶はすぐそこにいたのだ。
息を潜めてまるで嘲笑うかのように。
俺のゲーマーとしての勘が俺の身体を動かした。
(これが羽化したらヤバイ?!!)
俺はがむしゃらにノーマルソードを蛹に打ちつけていく。
ガンガン! ガンガン!
しかし流石に蛹と言ったところか。
鈍い音が辺りに響くだけで蛹のHPは全く削れない。
実際は手が痺れることはないのだが、手が痺れると勘違いするほどの反動が手に伝わってくる。
俺の努力は虚しく俺が想定していた最悪の光景が今まさに始まろうとしていた。
蛹は羽化し???蝶となる。
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