第2章
戦闘校舎のフェニックス
第18話 修業、はじめました!
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られていた。
だが、一年後には俺はそれが嘘だと察した。
その話を聞いた日から兄貴は学校以外のことでよく家を空けることが多くなったからだ。それだけで、兄貴が幼い身ながら出稼ぎに出ているのだと思った。しかも、たまに傷だらけで帰ってくることもあったので、相当に危険なことをしているのだと思った。
だが、普通に問いただしても兄貴は口を割らないだろうと思った俺はどうやって聞き出そうかと思案しながらさらに一年近く経ったある日、あの事件が起こった。
俺の神器に宿るドレイクが俺の肉体を奪おうとしたのだ。
そんな俺を救ったのが当時の兄貴だった。
兄貴は何やら特別な力でドレイクを押さえ込んだのだ。
そして、目の前で起こった超常な出来事に混乱した俺たちは兄貴を問いただした。
兄貴は俺たちを落ち着けるためにやむなしといった感じで話してくれた。異能、異形の存在について、そして、賞金稼ぎのことを、兄貴がその賞金稼ぎになっていたことを。
そして、そのあとすぐに姉貴は見習いを経て正式な賞金稼ぎとなった。
それを知った俺と千秋も賞金稼ぎになろうと兄貴に進言したが、姉貴のときと違って兄貴には猛反対された。とても危険だからと。
それでも食い下がった俺たちに兄貴は観念して、俺と千秋は見習いとなり、正式なハンターになるのは大学卒業後ということになった。
兄貴が大学卒業後という条件にしたのは、その間に俺たちが別の道を目指すことを期待してのことだろう。
だが、千秋はわからないが、少なくとも俺はハンターになることをやめる気はない。
理由はある──が、ぶっちゃけると、そんな大それたものじゃないし、個人的なすごく矮小なものだ。
それは、俺が勝手に抱いた兄貴に対する罪悪感だ。
兄貴は俺たちのために、普通の一般人が歩むような『普通な日常』というものを捨て、命の危険がある非日常的な人生を歩むようになった。しかも、兄貴はかなりの実力と周りからの信頼を多く持つハンターになってしまった。そのせいで、兄貴に寄せられる依頼の量が多くなり、兄貴は律儀にもその依頼をすべてこなすため、家を空けることが余計に多くなった。いまじゃ、ほとんど家にいることはない。
俺にはそんな兄貴を尻目に普通な人生を歩もうとは思えなかった。そんな兄貴に対して罪悪感を覚えてしまったからだ。
兄貴は気にするなと言うだろうが、それでも、俺が気にした。だから、俺はハンターを目指した。
・・・・・・それがどんなに矮小で自分勝手な理由でも。
―○●○―
「とまぁ、こんな感じだ」
イッセーに俺が賞金稼ぎなろうと思った理由を話し
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