第六章 Perfect Breaker
希望を繋ぐ
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これまでのあらすじ
冬木市にて、バーサーカー・神奈備命を撃破する観鈴。
一方の蒔風は、ネガ電王へとターゲットを定めた。
街のギガンテスは、仲間に任せる。
とはいえ、彼は動きの自由がきかない。
動き回れないこの状況、彼が思いついた事とはいったいなにか?
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蒔風が構える。
ネガ電王が、直接突っ込んできて剣を振るった。
今の蒔風は響と手錠で繋がれた状態だ。
もしこの状態でいつも通り動けば、彼女の身がもたないし、そんなことをするほど蒔風もバカではない。
だからと言って最小限の動きで回避すれば、こちらの反撃よりも早くネガ電王の凶刃はそのままの勢いで標的を変え、響へと差し向けられるだろう。
故に、蒔風がとる行動は一つしかない。
響を抱え、手錠が彼女の体に負担を与えないようにしてその場から跳び退くだけだ。
「―――――だろッッ!」
それを想定し、厭らしい笑いと共にネガ電王が叫ぶ。
剣が大きく振り上げられ、蒔風の脳天目掛けて落ちていった。
が
「――――スゥ」
蒔風は短く、しかし深く呼吸を取っただけでその場から動かない。
驚愕するネガ電王だが、自らの身体を犠牲にして剣を止めるのならばそれでもかまわない。
そのままぶち抜き、脳天をカチ割るだけだ。
そして、刃が振れる一瞬前に、蒔風の左足が動いた。
後ろに下げ、半身を返す。響を庇うように背中に回しながら、上半身の正面部分を剣が通り過ぎていく。
――――ゾンッッ
「チッ!!」
回避された。
たが、ならばやることは変わらない。
そのままネガ電王は剣を握る両手、その手首を捻り、蒔風の向こう側にいる響へと剣の切っ先を向けた。
蒔風が反撃に出ればネガ電王は吹き飛ぶが、同時に刃は響にも到達する。
いくらなんでも響を犠牲にしてまで勝とうとはしまい。
故に、結局は跳び退くしかないのだ。
そしてそれがわかっているならば、追撃も容易というもの。
これが悪の戦い方。
どうしようもない袋小路で、これ以上のない追い詰め。
だが、その目論見は淡くも外れる。
(お前の考えは正しい。ネガタロス)
蒔風は、そっと拳をネガ電王のアーマーに押し当てた。
(多少なりとも――――攻撃を振りかぶっては遅い。だが振りかぶらないと、お前への攻撃にはなりえない)
だが、彼は知っている。
その攻撃のために存在する多少なりの「引き」
言いようによっては攻めの際の隙。
それを極限にまでどころか、完全にゼロにした
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