第六章 Perfect Breaker
天空愛撃
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は一斉にその場を後にする。
今、この空は彼女たちだけの物だ。
「うわアぁぁアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
両手を突きだし、ため込んだ自身の衝撃球を、砲撃へと押し込んでいく観鈴。
対し、自身の打ち出した衝撃砲をさらに後押しして相手をつぶそうと全力を注ぐバーサーカー。
衝撃の波が、様々な角度で弾き出され、空に漂う雲を悉くかき乱す。
その嵐の中、それを止めようと全力で先へと進んでいく観鈴。
しかし、出力差は圧倒的だ。
今は拮抗状況だが、観鈴はピクリとも前に進めないのだから。
同じ純白。
同じ翼。
出力の違いは、セルトマンの存在か狂化のためか。
だが、違いと言えばこちらにもある。
バーサーカーにはない、決定的な違いが。
「観鈴!!帰って来い。勝てぇぇえええええええええッッッ!!!」
「うん・・・!!!行くよ、往人さん!!!」
グ・・・ヴォヴォヴォォオン!!!!
観鈴の足元に浮かぶ陣。
それは魔法陣などというものではない。それよりも、もっともっと尊い想いのもの。
法術陣。
すでにこの世界から失われた術。「想いを届ける力」を秘めた、奇跡の術式―――――!!!
かつて
蒔風は自身の翼を指して「原初の翼」だと言った。
いかような想いも、すべからく願いから始まると。
だが、それは少し違う。
この世に多々ある感情の中で、愛には理由がない。
否、正確には、愛とは始まりであり結論だ。
理由づけてから、愛があるのではない。
理由は「愛しているから」であり、その結果「あなたを愛す」のだ。
愛とはそれ一つですでに完成された物。
ならば、願いを「原初」というなれば、この愛情というものはまさに「元始」の感情――――!!!
「あなたを、救う!!!」
慈愛
「貴方のために、生きた人のために!!」
情愛
「私は貴方を、助けたい!!」
愛情
観鈴の、攻撃の形が変わる。
球体だった衝撃は、薄く広く広がって目の前で高速回転を始めたのだ。
衝撃砲を絡め取り、なお自らの力として増大させる。
そして吸収しながら、更に観鈴は先へ――――先へ!!!
バゥッ!!
「ハァァアアああああ!!!」
突き出していた両腕は、今は引っ張り上げるような体勢になっている。
上半身で持ち上げるように、そして、上空の彼女から、目を離さないように。
「行 く よ!!!」
ド ド ド ド ンッッ!!
幾重にも展開される法術陣。
その中心を通過し、観鈴の翼は更に輝きを増す。
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