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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
天空愛撃
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た彼等は、その場から逃げだそうとするが


ヴォ――――ォオオッッ!!!


観鈴が落下して行くのは、川辺ではなく、河だ。

水面に達する前に身体を翻し、翼を広げて制動を掛ける。
そして立つように水面へと。更にそのまま後ろ向きに河を橋の方向へと逆上った。

おそらく、勢いは殺しきれなかったのだろう。
ならば、その勢いを利用して、水面上で湾曲を描いてそのまま上空へと舞い戻る!!!


その観鈴に向けて、ブワァと一瞬身体を浮かせるバーサーカー。
それに対し、観鈴の周囲の大気も渦巻いていく。


「ガァア!!」

「ウワァああああ!!!」

咆哮と、叫び。


激突せんとする両者は、落下と上昇のまま正面から激突していく。

バーサーカーが拳に、観鈴が翼に。それぞれに衝撃波の螺旋を纏わせ、相手を貫こうと、斬り裂こうと、正面へと突き出した――――!!


バキィ!!!


交差する。
バーサーカーの拳は観鈴の肩を掠め、観鈴の翼はうっすらと彼女の脇腹を裂いていた。


ゴォ・・・と唸り声を上げるバーサーカー。
対し、観鈴は怯むことなく翻り、翼で羽撃き荒れ狂う衝撃波を竜巻のように噴き出した。

それを回避するバーサーカー。


観鈴の下方から、右側へと回るように上昇をしていく。
それを狙っていく観鈴だが、相手の機動にそれをすべて回避されていってしまう。


そして、雲を突き抜けその先へ。
それを追おうと観鈴も日光に目を細めながら空を見上げた。


ゴゥン・・・・・・

「え」

ゴゥン・・・ゴゥン・・・・ゴゥンゴゥンゴゥン!!


突如、空から響く何かの音。
まるで、巨大な工場の歯車が回るような音だ。

だが、この空にそんなものがないのは明らかだ。
ならば、これは一体何が唸る音なのか―――――


ゴゥンゴゥンゴゥンゴゥンゴゥン――――――ガゥンッッッ!!!


そして、音が一層大きくなって鳴りやんだ。

瞬間、雲の向こう側を何かが円形に打ち広がっていく。

それに合わせ、ズズズズ、と。
ゆっくりと、雲が円形に開かれていった――――――



「あれは――――!!!」

バーサーカー、最大開翼。

その円の中心にいたのは、間違いなく純白の翼。


その顔はすでに表情と呼べるものはなく、只々一撃を放つ一つの力の塊と化す。

剥きあがった眼球は、もはや目の前の観鈴すら映さない。
広げられた腕と翼は、刺し込む太陽光と相まって神々しさを増していく。

ただ、この姿は神々しくとも、破滅の天使というのがまさしく相応しい――――!!!


「・・・・みんな」

バーサーカーの口内に溜めこまれた衝撃波
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