第六章 Perfect Breaker
天空愛撃
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守ると言って、結局はこの体たらく。おまえ、情けないぜ?」
ネガ電王の言葉に、もはや一言も返すことのできない蒔風。
ただ黙り、この光景を目の当たりにし、自らの無力を嘆く。
握られた拳は震え、噛まれた唇からは血が流れていた。
「もう・・・守れないのか」
「そうだ。お前は、護れなかった」
蒔風の、自身へと向けられた落胆の言葉にネガ電王が首肯する。
だが、ネガ電王の言葉には勝利の響きなどはない。
これはただの「悪とはかくあらん」事を示したデモンストレーションに過ぎない。
彼にとってこの男を倒すとは、このような回りくどいことではなくその心の臓腑を止めること以外にはないのだ。
それを理解して、蒔風は自らの無力を呑みこんだ。
周囲を見渡し、反乱狂になって逃げ惑う人々から敢えて目を逸らした。
彼等を見ていて、救えるか。
今自分がそちらに動いて、彼等を救えるか。
それは肯定されるだろう。
だが、それは解決ではない。
目の前の男を倒さねば、今のこの惨状はなくならない。
「お前を倒す」
「そうか。やっとかよ」
嘆きも悲しみも、反省も後悔も後だ。
今はただ、これだけがあればいい。
相手と自らに対する怒りと、そいつを潰すと言う行動目的さえあればいい――――!!!
「結局、正義ってのもその程度だ。守れないと知りゃ、簡単に投げ出すんだもんな!!」
蒔風の力を嗤うネガ電王。
だが、蒔風は黙ってそれに首を振る。
「一昔前なら、な。確かにこんなことはしなかった。俺は俺がどうなろうと、この街のために全力を尽くしたさ。文字通り、命がけで」
だが、今は違う。
彼にそのようなことをするだけの必要はない。
誰かの危険の代わりに、自分の命を投げ出すようなことは、もはやしない。
「一般人を見捨てるか・・・・」
「そいつもちげぇ」
はは、と笑いながら、蒔風は自信満々に言った。
自分は救わない。だが、彼らを諦めない。
「自分一人で頑張るの、やめたんだ。頼れる仲間は頼るぜ?俺は。仲間が危険に、なんてアホなこと言わんよ」
瞬間
蒔風の上空に、二つの穴が開いた。
それぞれそこから、電車のレールが構成されて展開される。
駆けだしてくるのは、もはやご存じ時の列車。
「電王に・・・ゼロノスか!!!」
しかも、それだけでなくビルの外壁がピラピラと剥がれていった。
底から現れたのは、城の体躯をした巨大な龍。
「キャッスルドラン・・・・キバまで来たのか!?」
「街のことは七獣とあいつらに任せた。俺はお前を倒す」
蒔風の視界に、すでに街の光景は映っていな
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