第六章 Perfect Breaker
巨力圧倒
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ない。
悲しみと、苦痛と、そして新たに加えられた感情。
目の前で消えた着物。その意味を狂戦士しながらも理解しえたのは、やはり生前からのつながりからか。
自身に一撃を加えた観鈴に対し、敵意と憎しみの視線を送るバーサーカー。
二つの感情に、新たに怒りと憎悪が加えられる。
柳也が消えた。その原因はお前かと睨み付け。
説明できるなら、いくらでも出来る。
柳也は戦いの末敗れた。
消え逝く彼を一気に吹き飛ばしたのはお前だ。
だが、その一切は耳に届くまい。
バーサーカーはその時その場に生まれた感情を爆発させ、それがなんであろうと暴れまわる。
「ア――――ぁッッ!!!」
バーサーカーの翼から放たれる衝撃波の塊が、観鈴に向けて放たれる。
しかし、それを羽撃き一つで打ち消し霧散させる観鈴。
「うん・・・わかってる」
そう言って、純白の翼は輝く。
同じ翼をもつ彼女に向かって、慈悲に満ちた顔で、悲しみをこらえて。
「あなたを助けるために、あなたを私は倒すよ!!」
同じ翼。
同じ魂。
バーサーカー・神奈備命。純白の翼。
過去未来現在において、翼人に同色は存在しない。
その法則と異なる、唯一の存在同士が今、ぶつかり合う。
1000年の呪い。
その始まりと終わりが、ここで。
------------------------------------------------------------
「不動拳ッッ!!」
「墳ッッ!!」
バチィッ!!
翼刀の放った拳。
数十手に及ぶ攻防の末に、ようやく当てられた拳から放つ不動拳。
だが、翔剣の腹に撃ったはずのその一撃は、そのまま翼刀の全く同じ部位にそれ以上の衝撃でたたき込まれていた。
「ゲふ・・・ッッ」
「こういった組手の合間に、十分な振り幅や挙動がなくとも、拳が身体に触れていれば放てるのが不動拳の優位なところ。だが初代の動不動拳は、飛び込んでくる」
腹に手を押さえ、転がりながらも翔剣の攻撃を回避して距離を取る翼刀。
一方、翔剣は攻撃をしながら、淡々と先を語る。
「飛び込まれては、ピタリと当てることも叶わない。同時に動不動を放とうとも、あちらが開祖だ。敵わない。故に、二代目はこの非打手を編み出した」
第二奥義・非打手
この三文字で「打ち手いらず」と読むらしい。
完全なるカウンター攻撃。
相手の一撃が強ければそれだけ強くなる。
「さて、翼刀。お前はそれを知ってるにも関わらず、なぜ挑んでくる?」
「さあね・・・答える必要はねェだろッ!?」
ヴァルクヴェインを構え、一気に駆け出してくる翼刀。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ