第六章 Perfect Breaker
手錠、熾烈、結末
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に六、左に六。
左右合わせて計十と二発。
搭載されたカートリッジ。その全てを吐き出して、回る廻る魔力の渦。
「ォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
駆け出すクイント。
戦闘機人を相手に六人。しかして彼女は「たかが生身の」陸戦魔導師。
それを圧倒し足らしめるのは、数え切れぬ鍛錬か、フロントアタッカーとしての矜持か。それとも、ブレイカーとしての能力か。
しかしそれをして、この一撃を間違えばクイントは間違いなく粉砕されよう。
だからこその両拳。だからこその全力。
娘相手に、この拳は向けられない。
そこにいるのは、困難、障害をブチ破り、先へと進もうとする人の意志。
だとすれば、娘だと言って手を抜くにはあまりに無礼。全身全霊で当たるが礼儀―――――!!!!
「行 く ぞ ぉォォォオオオオオオオオ!!!!」
「ッッッ!!!」
スバルの雄叫びに、クイントがついに仕掛けに出る。
右と左の拳を渦巻く魔力の渦を、拳を合わせて一つにまとめる。
左右合わせて一つとし、スバルの拳を真正面から打ち砕く。
右拳、左拳をそのまままっすぐに揃え、唸る双拳は少女に向かい――――
ガクンッッ!!!
「な!?」
だが
それは止まった。
一瞬だが、確かにとまる。拳ではない。彼女の身体がその場で止まる。
「あなたたちは・・・・・!!!」
「へっ、最初に言ったろ。あたし「たち」が相手だってよ!!」
クイントの足に、腕に、胴に、首に。
しがみつくのは、すでに地に伏せていたノーヴェ達。
腕にチンクが、脚をノーヴェが、胴をウェンディが。
そして首には
「ハァッ!!」
ゴキィッ!!!
「ンごっ・・・・!?」
しがみついて、だけでは止まらない。
ギンガの飛び廻し蹴りが、クイントの後頭部に振るわれる。
一瞬だけ、クイントの身体が止まった。
しかし、良くある話―――――
傍から見た光景とは裏腹に、一瞬の攻防にも当事者たちはそれよりも長く時間を感じる。
そう。
当人たちにとっては一瞬でも実際の時間は“もっと短かった”
バンッッ!!
「ウゥッ!!」
「アガッ・・・・」
「はゥ――――ッ!!」
しがみついた彼女たちは、一瞬どころか刹那の時ですら彼女を止められなかった。
おそらく、はたから見てこれによってスバルの一撃が入りやすくなった、なんてことは絶対にありえないだろう。
だが、それでいい。
実際に刹那の時であろうとも、彼女たちにとっては十分すぎる一瞬だった――――――
「スバル!!!」
蹴りを放ったはずのギンガの方が吹き飛ばされると言う、あまりにも
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