暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
手錠、熾烈、結末
[8/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「・・・・セット」

ガォン!!と、クイントの足の下に敷かれる青き道。

着地した彼女の足の下に、ウイングロードが走り込んできた。

振り返ると、そこには再び立ち上がって来たスバルがいた。
足場形成のこの固有魔法を、地面に敷いて意味があるのかと一瞬疑問に思うクイント。


ギッ、ギッとアームブル(胸の前で腕をクロスさせるストレッチ)をしながら、クイントへと向き合うスバル。

その顔は若干うつむき気味。表情は伺えない。
だが流れてきた血を掌で拭き、その手を上げて行って髪をかき上げるように顔も上がった。

そして、指の隙間から――――


ドクンッッ!!

「!?」

クイントは、その視線にある種の狂気を感じた。

今ここには、親子の情などは存在しない。
あるのはただ「目の前の敵を倒す」という、ただそれだけの行動原理のみ――――!!!


黄色に輝く瞳が、まるで魔眼であるかのようにクイントの身体を射抜いている。
そして、クイントもまたそれに中てられてボルテージが最高潮に上がった。

ここにあるのは、親子の対決というよりも、そう

ただ「どちらが強いか」を競うだけの、純粋な格闘者がいるだけだ。


「来なさい、スバルッッ!!」

「ウオオぉォォォオオオオオオ!!!」

ダンッッ!!と、スバルの右掌が、ウイングロードに叩きつけられるように降ろされる。
リボルバーナックルからカートリッジが二発排出され、ウイングロード上の魔法陣が、一つの指向性を持った形に変わってく。

リボルバーナックルのシリンダーが煙を上げて解放され、まだ魔力の残った四発のカートリッジをも落とす。
そして六発のカートリッジセットを取り出し、そこに装填して準備が整う。


「ウイングロード・ベクトルスターター――――往くよ、マッハキャリバー!!!」

《OK,my buddy.Ready》

ガシュガシュガシュガシュガシュガシュゥッッ!!!

「《GOォッッ!!!》」


ドンッッッ!!!


一気に駆け出していく―――――否、あれは駆けだすと言うよりは、そう、まさに

「砲弾―――――!!!」

スタート地点足元の、山折りされたかのようなウイングロード。
そこから敷かれた、速度強化のベクトル魔法。

そして、この一撃にすべてを込める、最大限の六連カートリッジ!!!


相手はすでに、少女ではない。

一つの砲弾。
一つの拳。

敵を倒すことのみを目的とした、ただ一つの力の塊!!!



「リボルバーナックル、フルドライブ!!!」

AIを搭載しないクイントの両拳のそれは、一言たりとも返事をしない。
その変わり、主の命に忠実に従う。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ