第六章 Perfect Breaker
手錠、熾烈、結末
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押し退かされ再び向かってきたノーヴェの横腹にめり込み、吐血と共に吹き飛ばす。
「全力全開――――!!!」
「!?」
「IS発動―――振動拳!!!」
「ガッ・・・・・ァ!!!」
ズンッッ!!!
世界が、二重三重にブレた。
その一撃にクイントが苦悶の表情を浮かべ、歯を食いしばってそれに耐える。
だが、彼女の振動拳はそれだけではない。
体内の衝撃を残したまま、更にクイントの身体を吹き飛ばしていく。
「グッ・・・ぁあああ!!」
一瞬だけフッ、と身体が浮き上がり、その後に身体が一気に吹き飛んでいく。
まるで重力がイカれてしまったかのように、物凄い勢いで。
そして、スバルの額からブシュッ!!と血飛沫が。
振動拳の一撃の刹那。
あの一撃の内に、クイントの四肢はスバルの正中線三点。そこにそれぞれ三発ずつ叩き込んでいたのだ。
なんという手の速さと重さだろうか。
しかも、クイントにはIS振動破砕が流し込まれていた。
それはスバルの身体にも浸透し、戦闘機人である彼女には本来以上のダメージが襲い掛かったのだ。
正真正銘痛み分け。
ズシャリと膝から崩れて倒れるスバル。
一方、吹き飛んだクイントは民家には激突しなかった。
上へと湾曲させたウイングロードを自分の背後に向かって展開し、その上を滑って行ったのだ。
だがそれだけで、この場は精いっぱいだったのか、その後の足場の形成はまだされていない。
ポーンと宙に投げ出された彼女の身体は、今度は本来の重力に従って落下して行く。
そこに、ギンガが突っ込んでくる。
ウイングロードを伸ばし、ブリッツキャリバーを駆り、一気に。
ドリル状のように回転させた手首を振りかぶり、ISと共に閃光のような速度で放つ。
それはスバルの物と比べれば、練度は粗削りだが、その分の威力は十二分。
クイントがウイングロードに落下するのと、自分の到達時間は同時。
その相手は受けることも躱すこともできない―――――
「ッッハァ!!」
はずだった。
クイントは身を翻して、ウイングロードスレスレで体勢を整えて着地。
突き出されてきたギンガの拳を真正面から握りしめた。
流し込まれるISに腕の中の血が荒ぶり、筋肉の筋が断裂しながらも、決してそれを離さない。
するとどうか。回転している者を掴み、それが止まった瞬間、何が起きるか。
その回転はギンガ本人へと作用する。
脚が浮き、瞬間、手首の回転速度と同等の速度で回転する視界。
クイントがパッ、と手を離すと、そのままギンガは地面に向かって勝手に突っ込んでいった。
ウイングロードは消え、五メートル下の地面へと着地するクイント。
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