第六章 Perfect Breaker
手錠、熾烈、結末
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
イプではなく、普通に輪っかと鎖で構築された、見た目はなんの変哲もないものだが。
だが見た目に騙されることなかれ。
この手錠、結合によって能力者などが増えたこの世界での治安維持のために警察や時空管理局、「EARTH」が共同開発した超特製手錠なのだ。
恐らくネガ電王は「EARTH」内部から失敬してきたのだろう。
それを剣に引っ掛けて飛ばし、蒔風の手首に掛けたのだ。
と、そこに
「ハム蔵〜〜〜〜〜!!!」
「んなぁ!?」
「あ、あんたは「EARTH」の・・・・・」
側転の回避から、一気に距離を取った蒔風のもとに、曲がり角の向こうからなんと――――我那覇響が現れたのだ。
どうやら彼女たちの事務所は近くらしい。そこからハムスターのハム蔵が、この戦いを察知したのか、逃走、そのまま外へと出て行ってしまったらしい。
「なんでだよ。外の方が危ないだろ・・・・・」
そう悪態をついても、相手はハムスターだ。言ってもしょうがない。
ハムスターは見つけたら必ず捕まえるから避難してろと伝え、後から来る数名の少女たちにも怒号を上げて「こっちくんな」と手を振る。
「ちょ、「EARTH」の人?!」
「後からドンドンくるなよ!!玄武、朱雀!!連れてってくれ!!」
だが、好奇心は猫をも殺すと言う。
行けと言われて素直に行くほど人間は賢くもなければ、曲がり角の向こうにうある脅威にも気づかない。
当然、その隙にネガ電王が蒔風の背に銃口を向けて発砲してきた。
蒔風はとっさに曲がり角の向こうに玄武と朱雀を乱暴に押し込み、こちらに半分身体が出ている響の右手を左手で引いた。
「こっち!!」
「うわぁ!?」
ネガ電王の凶弾を回避し、そのまま左手で響を引いてビル影に隠れる。
後はこっちに青龍あたりでも呼んで、彼女を託せばいいだけだ。
「な、なにが起きてんだ!?」
「落ち着いて。建物の中にいれば安心だ。すぐに事務所の方に返すから・・・・」
そう言いながら、蒔風は右腕を隠すように後ろに回す。
当然、そっちに手錠が引っ掛かる場所はない。
「?右手、どうしたさ」
「ん?いや、手錠を中途半端に掛けられてね。これで右手出して見ろ。これ絶対どっかに引っかかって苦戦するパターンじゃん?フラグじゃん?」
ほれ、と蒔風が注意しながら右手と、その手首にぶら下がる手錠を見せる。
それを聞いて、響は
「漫画の読みすぎだゾ・・・・」
「いやいや、こういうのは案外バカにできないもので・・・・ん?」
「ヂュッ!!」
「あ」
そこで、右手の上に何かが飛び乗ってきた。
大きさは手のひらサイズ。色は白と黄金色。ハムスター、と言われ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ