第六章 Perfect Breaker
手錠、熾烈、結末
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、お前のキャラじゃないだろ、それ」
「・・・・・・・・・」
「EARTH」ビル前。
右手を胸に当て、左手を上へとかざしているセルトマンの背中に、ショウが呆れながら突っ込んだ。
ピタッ、と止まるセルトマン。
フッ、と笑ってから顔を真っ赤にして
「わかっていても恥ずかしい・・・・」
「旦那!!」
「わー!!だいじょぶ!?」
膝から崩れた。
アホなことを、とため息をつくショウだが、魔導八天の二振りを左右それぞれに握ると、オフィナとフォンが意識をこちらへと向け構えた。
この臨戦態勢への入りの速さは恐ろしい。だが、ショウが悪魔で睨み付けるのは、アーヴ・セルトマンただ一人。
「どんなにアホなことだろうと、どんなに愚かなことだろうと、お前はそのレールを踏み外せない」
ピク、と
ショウの言葉に、セルトマンがわずかに反応する。
「アーカイヴに接続ってとこから、考えてはいた。なにもアーカイヴに連なる原典の時間軸は、現在と同じとは限らない」
「・・・・・・・・」
「どこまで見た?どこまで見れる?そんな質問に意味はないだろうな。アーカイヴを見れる男が、“敗北の結末”を知って挑んでくるわけがない」
「賢しいな、先駆者」
「あ?」
ゆら、と立ち上がるセルトマン。
振り返る彼の表情は、つまらないものを見る目だった。
「・・・・・まあそんな目にもなるのは解るそりゃぁ」
「「すでに何度も見た物語を、無理矢理見せられているんだからな」かな?」
「ッ!――――なるほど、これも予定調和ってわけかよ」
ショウのセリフに、完璧にかぶせてくるセルトマン。
ヒラヒラと手を振って、実にめんどくさそうに口を動かす。
『あなたのことは先輩として非常に尊敬していますよ』
『先輩とはどういうことだ』
『世界を破壊し、それでなお消えぬ自己。おお、それこそ俺が証明したい完全じゃないか!!?』
自分とショウの、二人分のセリフを吐くセルトマン。
ショウは驚く。まさしく、彼のセリフの後に言おうとした言葉を丸々言われてしまったのだから。
「だけどね、あまり細かい描写はされてないんだ、これが」
「なに?」
「セルトマンが何々を召喚、だとか、どうなったのはあるんだけどね。その詳細な内容はないのだ、これが。困ったことに」
「・・・・・なるほど。つまりそこに書かれているのは、所々の描写はあれども、端的な内容しかないわけか」
そう。
セルトマンは確かにアーカイヴに接続し、その内容を把握している。
しかし、アーカイヴにもしも筆者というべき存在がいるのならばそれはそれはヘタクソの三流筆者なのだろう。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ