第六章 Perfect Breaker
脅威顕現
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出される右拳は、あろうことかまた別の一人の腕に捕まれ背負い投げで体ごと持って行かれた。
アリスの前に現れたその二人は、クイントと同じ装備をしていた。
違う点は、脚にはめられたローラーシューズ型のデバイスに、片腕ずつに装着しているリボルバーナックル。
目の前に現れたその二人をみて、アリスは先ほどのセリフの続きを述べる。
「この二人が、ですけど」
「お母さん!!」
「母さんの相手は・・・・私たちがするわ!!」
「ギンガに・・・スバル?」
不意に現れたとはいえ、真正面から自分の攻撃に的確な対処をした。
クイントが死んだのは、彼女たちがまだ5歳か4歳のとき。
それから十年以上も経っているのだ。当然、その成長を知らない。
「あの子たちが・・・・こんなに大きくなって」
「お母さん、いろいろ話したいことはあるけど・・・・」
「そうねぇ。でもこれがなかなか・・・・戦いたくてしょうがないのよね」
セルトマンの呪縛。
許された自由意思の範囲は広いが、それだけは許されていないらしい。
それを知ったうえで、二人の娘は母に告げる。
「大丈夫。きちんと倒して見せるから!!」
「私たち、皆で!!」
「・・・・・みんな?」
スバルの言葉に、疑問を浮かべるクイント。
どうやら今ここにいる彼女たちだけで戦うわけではないらしい。
しかも、結構いるみたいな・・・・・
「みんな!!」
「やっと出番かよ!」
「まあそう言うなよ」
「さ〜あ、行くッスよ!!」
「うむ。では、いざ!!」
ドドド、ドン!!
その合図と共に、四人の少女がクイントの周囲の民家の屋根に降り立つ。
その少女たちは皆別の武器を手にして、そして
「ノーヴェ・ナカジマ!」
「ウェンディ・ナカジマ!」
「ディエチ・ナカジマ!!」
「チンク・ナカジマ!」
「そして、ギンガ・ナカジマと」
「スバル・ナカジマ!!!」
「うわぁ、ナカジマゲシュタルト崩壊・・・・」
次々に名乗りを上げるナカジマシスターズ。
それを聞いてゲンナリするアリスと、目をパチパチさせて驚くクイント。
「わーお・・・・いつの間にこんな大家族・・・しかもゲンヤさん、しかもこんな小さな子まで!!」
「私は姉だ!!!」
「えぇええ!?」
戦いの雰囲気はどこへやら。
完全置いてけぼりのクイントに、ギンガが手際よく説明していく。
「かくかくしかじか」
「そう・・・その子たちも・・・・・」
事情を聴き、少し悲しそうな顔をするクイント。
だが、すぐに頭を振って笑顔を見せる。
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