第六章 Perfect Breaker
脅威顕現
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ザリ・・・・・
ユラリと立ち上がる翼刀。
すでに血を吐き、身体の中も外もボロボロだ。
戦闘開始からまだ6分。
それだけですでに翼刀はかなりの負傷をしていた。
(鉄翔剣・・・・歴代当主はそれぞれ奥義の名や、連想させるような名を冠してきた)
さっきまで使ってきた奥義の当主達も、それぞれが「動不動の飛翔」や「挟撃の鳥久」と言われた。
(にもかかわらず、この男の名は「怪物・鉄翔剣」・・・・・この男は・・・・・)
「翼刀のオジサンは、初代から16代目までの、全部の奥義を使えるんだから・・・・・!!」
これが、あの男が「怪物」と呼ばれた所以。
何の因果か生まれてしまった「鉄流不動拳」の集大成―――――!!!
「歴代当主たちが、継承の儀において超えるべきなのは、あくまでも先代。だが、わかるな?お前の相手は」
「ああ・・・・俺が超えるのは―――――」
(―――――鉄流その物、だ)
それだけの奥義が使える以上、彼の父、翼刀の祖父も認めざるをえなかった。
新たな奥義はなかったが、その過去の総てを持ちだされては何も言い返すことなどできようもない。
「ふぅっ」
翼刀が軽く、息を吐き出す。
痛むはずの腕をブルブルと振って、凝り固まった全身をほぐしていく。
「?」
翔剣はそれを、訝しげに眺めていた。
叩き込んだ奥義は、相手が息子であろうとも手加減することなく打ち込んだ。
まだ二個しか使ってないが、その他の打撃などのダメージもある。とてもあんな「なんでもないぜ」というような顔などできるはずも――――――
さて、こっからが本番だ、親父」
翳される手。
そこに現れる、世界四剣の一。
神剣・ヴァルクヴェイン
これもまた、代々受け継がれてきた剣。
その経緯、理由は歪められたものだとしても、間違いなくこれは「ヨクト」の物。
「武器があって反則なんて・・・いまさら言いはしないだろ?」
「継承の儀に置いてはすべての武器の使用が認められている。問題はない」
掟に触れないから大丈夫。
そう堂々と言う言葉には「掟という壁がなくとも別に俺は構わない」という意思が込められていた。
ヴァルクヴェインの効果で、再び戦えるまで回復する翼刀。
昨日から翼人の回復に使用してきたため万全までではないが、まだこれだけの回復はできる。
(とはいえ、精神的に来るな・・・・できればこれ以上は多用したくねー)
ビッ!!と剣の切っ先を翔剣と向け、狙いを定める翼刀。
対し翔剣は、拳を握り、腕を引き、やっと構えと言える動きを取る。
「来い」
「オォッ!!!」
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