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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
脅威顕現
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それを挟み撃ちに喰らい、翼刀の口内に鉄の味がし始める。


「ゴ・・・ぷ・・・・」

前からの衝撃のほうが強かったからか、後ろに吹き飛んだ翼刀が倒れそうになる。
ズシャァ、とその場に崩れて行き、しかしそれでも体勢を崩さないよう膝でどうにかこらえた。


「これが第十一奥義。流打」

鉄流の当主たちは、その儀において常に新しい奥義を編み出してきている。
つまり、18代目である翼刀の時点ですでに、奥義は17あるはずだ。


(だ、だが・・・・・現時点で鉄流の奥義の数は――――16)

霞んでいく視界の中で、翼刀は記憶をたどる。



歴代当主たちは第一奥義と自身で作った奥義。
それを儀の中で表してきた。





「つまり、鉄流って代を重ねる度に強くなる?」

「でも、ここにはそれは絶対じゃない・・・って」

本を眺める三人は、どういうことかと唯子に視線を向ける。
今度ばかりは仕方ないと、唯子は口を開いてそれに答えた。


「もう少し先まで読むとわかるんだけど、難しく書いてあるからちょっと噛み砕くね?簡単に言うと、当主が使える奥義は二個しかないのよ。だから、代を重ねた方が必ずしも強い、ってわけじゃないの」

「「「・・・・・・え?」」」



第一奥義・動不動拳
そして、自分自身の編み出した最新の奥義

その二つを表すのがこの儀ではあるが、それ以外は述べられていない。

というか、無いのだ。書くことなど。
なぜなら、最初の奥義を除き、その全ての奥義は「当人にしか使えない」奥義なのだから――――!!



「どういう技かは、確かに記録が残ってる。でも、その修得はその人以外にできた人はいないの」

記録によると、二代目は三代目候補者である息子に、自身の技も修得させようとしたらしい。
だがそれはどうやっても出来ず、意を決した修行も効果はなく、挙句の果てには死んでしまったらしい。

その後、兄の跡を継いで弟も修行に臨んだが失敗。
死亡することはなかったが、また候補者を失うのを恐れた二代目は、新たな掟を書き加えた。


一つは、候補者の優先者の追加。親族のほかに血族、更には門下生まで加えた。

そしてもう一つ。
これは継承の儀には関係のない掟。

それは「第一を除く奥義の修練を禁ずる」というものだった。



「・・・・あれ、でも」

「そう、オジサンは第一以外の奥義も使ってる」


彼女らが見たのは、歴代当主が新たに開発した奥義の名。
しかし、翔剣の所にはそれが記されていなかった。


「じゃあ・・・・あの人は奥義を?」

「作ってないんだと思う。でも翼刀のおじいちゃんも、認めるしかないよね。だって―――――」
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