第六章 Perfect Breaker
脅威顕現
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屋根の上から見ていた唯子のもとに、さやかと杏子、そしてマミがやってきていた。
三人からすれば、急に始まった戦いだ。何が起こっているのかまるで分からない。
唯子は簡単なあらましを三人に話し、その間も下の二人から目を離さない。
「け、継承式?」
「うん・・・・私も翼刀から小さいこと聞いてたんだけどね。これ読んでみると・・・・・ヤバいね」
「翼刀さんが?」
「鉄流奥義って、オジサン結構使えるからそれが普通だと思ってたんだけど・・・本を開けばあら不思議。あの人が化け物、って言われてた理由がわかったわけで」
それだけの説明ではまだ疑問が残る三人。
唯子はちょっと目を離せないと言って、彼女らに本を渡して読むように促す。
代々続く者をそんな簡単にいいのかとマミが悩むが、そんな心配を完璧に無視して杏子が開いた。
「ちょ、佐倉さん」
「えーと、なになに・・・・・」
『鉄流不動拳・継承の儀』
現当主は次期当主となる人物を認めた場合、この儀を執り行うことを宣言する。
宣言から儀式実行までの期日は三ヶ月。
その間は、決められた日時が来ずとも次期当主の宣言によって開始することができる。
次期当主となる人物は、親族を最優先にされ、次いで遠縁、そして門下生とする。
次期当主の最低認定条件は、不動の理の修得。
次期当主は儀の中において、第一奥義の修得と新たなる奥義の完成・修得を表さなければならない。
それを踏まえ、現当主が認め冠する名を宣言されたとき、次期当主を新当主と認める。
(廃文)
以下の掟を適用するべからず。
・次期当主と現当主の儀は、現当主の絶命を以って終了・継承とする。
「・・・・・ふつーじゃん?」
「昔は殺し合いだったって言うのはすごいけど、今はないみたいだし」
「まあ今回ばかりは仕方ないわよね・・・・唯子さん、これのどこが?」
掟の部分を読み、なおもわからない三人。
唯子は言葉ではなく手振りで応え、次を読んでと促す。
「ん、と・・・・マミ」
「はいはい。もっと漢字勉強しなさい・・・えっと。え?」
「これ、おかしくないですか?なんで?」
彼女たちがめくったページ。
それは、歴代の当主たちの記録だ。
そこには彼らが完成させてきた奥義が並んでいるが、そこにあるのは――――――
ドドドッ、ドォン!!!!
翼刀の放った拳。
その衝撃を受け流し、相手へと送り返す翔剣。
しかもそれはそのまま送り返すものではない。
それは翼刀の背後へと回り込ませてのものだった。
背中から来る翼刀の放った物であった五撃と、正面の翔剣自身の拳。
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