第六章 Perfect Breaker
帰郷/継承
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それを弾くのは、真紅の刃。
得物は槍。
自在に操る者は、青の装甲に身を包む英雄。
「ったく、夜も明けたから一旦こっちも手が空くってんで休もうかと思えば・・・・これかよ!!」
「愚痴をこぼしている暇はないですよ、ランサー。あの敵はおそらく、「EARTH」で召喚されたセイバーでしょう」
その声に、観鈴が振り返る。
そこにいたのは、冬木において召喚されたランサー。ゲイボルグを握るクーフーリンと魔術師、バゼット・フラガ・マクレミッツであった。
「ランサーさん!!と・・・・」
「初めまして。私は彼のマスター、バゼット・フラガ・マクレミッツと言います。よろしくお願いいたします」
礼儀正しく自己紹介をしてくる彼女に、ぺこりと頭を下げ還す観鈴。
「マスター」という単語が嫌に強調されていたのには、何か理由があるのだろうか?
一方、剣を弾かれた柳也は自身の剣とランサーの槍を見比べて、そしてランサー自身へと視線を向ける。
そして不敵そうににやりと笑い、剣を鞘に納めて手を添える。
「楽しくなってきたな」
その構えは、まさに抜刀の構え。
居合の体勢に入った柳也に、ランサーもまた楽しそうに槍を構えた。
「へぇ。セイバーって言うからには剣の何某らしいが・・・・なるほど。なかなかの殺気だな」
相手の力量を軽く見積もったうえで、楽しい戦いになりそうだと笑う両者。
たとえ主従がいたとして、彼ら二人はやはり猛犬。
刃がギラリと煌いて
セイバーとランサーは真正面から衝突した。
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ガラ・・・・・
「ココも元通りにされてたのか」
「おっじゃましま〜す」
スライド式の扉を開き、神棚の置かれた部屋へと入っていく翼刀。
彼等がいるのは、簡単に言えば「道場」である。
掛けられた看板には「鉄流不動拳」と書かれている。
とどのつまり、ここは唯子の通っていた道場であり、翼刀の実家であった場所だ。
ほんの少しムスッ、とした重い表情をして入っていく翼刀と、かつてと同じように軽く頭を下げて入っていく唯子。
かつて組織の傀儡となっていた彼の手によって壊滅したこの街は、組織の手によって完全に復元されていた。
いまこの街に残っている破壊の跡は、かつて蒔風達がこの街で戦ったときのものだけだ。
奥に賭けられた掛け軸。
入門者の名前が書かれた札が連ねられた壁。
反対側には、歴代の鉄家当主の名前が。
そして、窓から差し込む日光。
何もかもが当時と変わらない。
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