第六章 Perfect Breaker
帰郷/継承
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退していき、翼で体制を整えて着地する。
「戦うってことに捉われちゃってる・・・確か天道さんが言ってたけど、本当に・・・・」
「行くぞ!!お前らの強さを見せて見ろ!!」
セルトマンに召喚されたサーヴァントは、当然何らかの感情を持っており、あの男はそのうちから、もっとも戦闘へと駆り立てやすいものを増長させ、「戦う気」を起こさせている。
エスティアから帰ってきた天道の報告で聞いてはいたが、実際に目にするとやりきれない。
彼は涙していた。
一千年の時を経ようとも、確かに救うことのできた魂のために、泣いたのだ。
その彼が自分へと向かってくる。彼の言うことも、一応はわかる。
だが、それは本来する必要もないものだ。それを増長させ、戦いへと赴かせると言うならば――――
やはり、セルトマンという男を許すことはできない。
「ハァッ!!」
「!!」
横薙ぎに払われる剣閃。
それを回避しようと横に飛ぶ観鈴。
だが、思考していた彼女は背後のそれを見落としていた。
「キャ――――」
朝の散歩だろうか。
ベビーカーを押した女性が、その先で立ち止まってしまっていたのだ。
この公園の一部には並木道がある。
そこから出てきた彼女は、この戦いに気付かず迷い込んでしまったのだ。
「危ない!!!」
叫ぶ観鈴。
セイバーの剣撃は、そのまま斬撃を飛ばすような代物ではない。
しかし、サーヴァントとなった彼の一撃はたとえそうでなくとも周囲に破壊を生む。
振るわれた剣の風圧は、間違いなくあの母子を吹き飛ばしてしまうほどに強力だ。
もしそれが当たってしまったとき――――果たしてその肉体は「吹き飛ぶ」程度で済むかどうか定かではない!!
「ゥおっトォ!?」
が、その女性を、飛び込むように突っ込んだ往人が覆いかぶさりそのまま転がってその場から回避させる。
女性を抱えて転がる往人は、残された法術を振り絞ってベビーカーを自分の跡に引っ張らせたのだ。
突然の出来事に唖然とする女性。
そして事態がよくわかっていない赤ん坊。
セイバーの剣の衝撃はその場を過ぎ去り、木の幹に衝突して木屑を飛ばして大きくその部分を陥没させた。
「往人さん!!」
「観鈴!こっちのことは任せろ!!」
そう叫び、親子を避難させる往人。
彼は確かに、戦いに参加できない。
しかしそれでも、やれることは必ずあるのだ。
だがその一安心もつかの間、ホッとした観鈴の背後から、セイバーの一撃が振り下ろされる。
「ォオ!!―――――ッッ!!!」
ギャァン!!
しかし、その刃は別の刃によって弾かれる。
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