第六章 Perfect Breaker
帰郷/継承
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
心部(「EARTH」(仮)とは逆方向)に向かって駆けていた、ということろだ。
(何処かで見たことがあるような・・・・なんでしょう、この場所。人が一人もいないのも気になります)
そう。
その中心部に向かっていると言うのにもかかわらず、人の姿を一人も見かけないのだ。
そもそも、ここに人が住んでいるのかどうかも分からない。
まるで「廃棄された街」とでもいえるような―――――
「・・・・・・あッッ!!」
そこで、アリスの記憶の引き出しからようやっと思い出された。
確かこの街は、依然―――――
瞬間、アリスを人影が覆う。
暗くなった視界に反応し、その場から咄嗟に飛びのいて自身のいた方へと向き直るアリス。
するとそこに、落下しながら突き出された拳が叩き込まれ、土煙を上げて爆発した。
ブォオッ!!と、一瞬の強風と共に襲い掛かる砂利。
腕で顔を覆って、目を細めてそれをガードするアリスだが、その狭まった視界を躱して土煙の中から青い魔力光を宿した身体が飛び出してきた。
「セヤァッ!!」
「クッ・・・・・」
それを辛うじて手の甲で受けるアリスだが、体重の乗った回し蹴りを受け切るには足りず、民家を砕いてさらにその向こうへと飛び出していってしまった。
ゴロゴロ、と転がりながらも受け身を取り、滑るように足を地につけて止まるアリス。
どうやらこの街の中央広場へと来てしまったようだ。
「これは・・・・・」
恐らく、そこはこの街の住人の憩いの場だったのだろう。
中央の巨大な噴水を囲むように花壇があり、それを囲むようにベンチが点々と設置されている。
その円形の広場のには、数多くの露店が出ていたのだろう。大道芸などのショーをしていたことだろう。
だが、それはもう過去の話。
露店は嵐にあったかのように崩れており、ベンチは重機に潰されたかのように砕けている。
花壇はただの土置き場となっており、枯れた花すらもすでにそこにはない。
そして、その中央で長年この街を眺めてきていたこの広場の王者たる噴水は、ある方向から跳んできた何かによって粉々に打ち砕かれていた。
恐らく水道管まで破裂しているのだろうが、そこから流れてくる水はない。
砕かれた王者に、すでに流れぬ血。
それは、すでにこの街が死に体であることをもっともよく表しているモノだと言える。
そう、ここは
「確かここは・・・・唯子さんと翼刀さんの故郷―――――」
かつてある組織に利用され、壊滅した過去の街だった。
------------------------------------------------------------
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ