第六章 Perfect Breaker
位置転換
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こちらを指さし、野次馬根性でパシャパシャと携帯をこちらに向けていた。
それを見たうえで、怒りを込めた視線でネガ電王へと向き直る蒔風。
衆目に晒されているからではない。
この位置との入れ代わりが偶然だとしても、もしこの相手が想像通りの手段を使ってくるとすれば、それは必ずしも許されるものではないからだ。
「一般人を巻き込む気か―――――!!!!」
蒔風の言葉に、フンとあざ笑うかのように鼻を鳴らすネガ電王。
そこに、ネガ電王の背後から一台の乗用車が走ってきた。
今は奇跡的に交通量は少ないようだが、それでも車は来る。しかも、ここは車道のど真ん中だ。
クラクションを盛大に鳴らしながら、しかしブレーキが間に合わない車。
その車を、ネガ電王はアックスモードのネガデンガッシャーで、掬い上げるように弾き飛ばした。
「――――――!!!!」
回転し、部品をバラバラと撒き散らしながら弾かれた車は、縦回転をしながら蒔風の上空を通過、背中の延長線上に鼻面からひっくりかえって落下。一瞬にして爆発炎上した。
「テメェ・・・・・」
街中に突如として発生する爆発と炎。
そしてそれを、野次馬たちの悲鳴と怒号がかき消していく。
何もないうちは呑気な顔をし、興味本位で近づいてきていた彼らもようやっと事態の異常性に気付いたらしい。
蜘蛛の子を散らしたように、とはまさによく言ったものだ。
まさしくその通りに、人々は思うままに駆け出し、その場から離れていこうとする。
対して、蒔風は車の方にはちらりとも振り返らず、その怒りの形相をネガ電王へと向けたままそれ以上の言葉を失っていた。
「ハッハッハッハ!!悪の犠牲になるのは、必ずしもヒーローってわけじゃないんだぜ?ヒーローさんよ。いつもその被害にあうのは、大概が民衆ってことを忘れてんじゃねぇよ」
「迷惑かける側が偉そうに言ってんじゃねぇ!!!」
怒声を吐きつけ、駆けていく蒔風。
相手は明確な「悪」
もはや、手加減の必要はない。
ぶつかり合う矜持。
悪を叫ぶ怪人と、善であれと動く翼人の戦いが、ここに始まった。
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「えぇい、キサマラ何をしとるか!!」
「何って・・・彼にこれを返却するにきまっているでしょう!?」
「ならん!!まだ我らが」
「あんなデカい戦艦出して落されてそりゃないんじゃ―――――」
時空管理局のある一室。
そこから「何か」を持ちだそうとしている数名の局員を、ガタイのある―――言い換えればガタイしかない―――凄そうな勲章
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