第六章 Perfect Breaker
位置転換
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れを見て、ショウは剣を消して上空を指さす。
そして同時に叫んだ。
「確認したいなら・・・・それこそしっかり、自分の目と耳で確認しとけ!!」
瞬間、柳也の背筋を悪寒が襲い掛かった。
戦場で培った直感に、命に係わる脅威を引っ掛かったのだ。
即座にその場を跳び退いて回避する柳也。
すると先ほどまでたっていた位置に、荒れ狂う暴風が襲い掛かってきた。
暴風、とは言うがその程度の物ではない。
ただそれしか表現が追い付かないから暴風というだけのこと。
もしもこれを喰らえば、軽く五体がバラバラに吹き飛ぶほどの威力がある。
「これは・・・・・」
そう、それは暴風というよりは衝撃その物。
放たれてきた衝撃波というその攻撃に、彼は見覚えがあった。
「翼人!!!」
攻撃が飛来して来た方向。
上空を見上げると、そこにいたのは純白の翼。
遥か祖先から呪いと共に転生し、受け継ぎ、そして現代において1000年の呪いから解放された少女。
蘇った純白の翼は、1000年ぶりに想い人と再会する。
「翼が勝手に・・・あの、すみません、急に攻撃して」
にはは、と笑う観鈴。隣には、往人も一緒にいる。
どうやら翼が荒ぶり、いうなれば興奮状態になっての攻撃だったらしい。
それを詫び、そして一礼
「この翼が言ってる・・・・あなたに、ありがとう、って」
目の前に現れた少女に、彼に対する感情はない。
だが、その翼が覚えている。
記憶になくとも、魂に刻まれた思いは永遠。
「命の・・・生まれ変わりか?」
「魂の質はその通り。神尾観鈴は、呪いによって苦しみの輪廻を彷徨っていた神奈備命の生まれ変わりだ。故の同質の翼。だが」
「ああ、彼女は命じゃなくて、神尾観鈴ってことだろ」
ショウの言葉に納得しながら、ホゥとため息をつく柳也。
そして、うつむいてボロボロと涙をこぼす。
「よかった・・・・本当に・・・・」
「・・・・・」
その様子を静かに見る観鈴。
ショウから自分の病気――――呪いに関しての話を過去に聞いたことはある。
その人物がまさか自分の前に現れることなんかないと思っていたが、世の中何が起こるかわからないものだ。
「オイテメェ!!」
「俺か!?てかあんた、自分の子孫に第一声がそれとかどうよ!?」
「うっせぇガキ。俺は先祖だぞ。敬えよコラ」
さっきまでの態度はとは一変し、チンピラのような態度になる柳也。
どうやら、これが彼の本来の姿らしい。
「にしてもほっせーな!!そんなんでほんとに呪いといたのか?お前が!?」
「・・・・・俺がしたのは解放だけ
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