第六章 Perfect Breaker
場景解釈
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ィアへと向かってくれた人は、ホントありがとう!!マジで助かった」
口調だけだと軽く感謝を述べる蒔風だが、その言葉には重いほどの意が込められている。
そのエスティアに向かったメンバーや、昨晩戦ったメンバーはすでに医務室送りになっている。
「送り」というのは、大丈夫だと言うメンバーをシャマル達が強引に連れて行ったからである。
「今日も始まったわけだが・・・・・この戦いがキツイと思ったら、降りてもいいぞ」
蒔風の言葉に、皆が止まる。
今は特に会議中、というわけではない。
食事をとっている者もいれば、この戦いをどう戦って行こうかと雑談する者もいる。
そのなかで蒔風がブリーフィングしているだけなのだが、蒔風の一言に皆が一斉にそちらを向いた。
「セルトマンの戦力は未知数。加えて、無限とも思えるサーヴァント。辛い戦い・・・戦いじゃなくても、辛いものがあると思う」
それはそうだろう。
乗り越えてきた過去。
倒してきた敵。
それらが再び自らの前に立ちふさがる。
その撃破は、実力の上で有利だとしても、彼らの心に何も影響がないわけがない。
その中でも、自らの肉親や家族以上の存在を葬ることにもなるメンバーもいるのだ。
それを考えると、蒔風はかつて戦った敵だからという理由で「あいつは任せた」等という気にはなれなかった。
それでも皆は戦うと言うだろう。
彼等を知っている蒔風からすれば、その答えはおのずと出てくる。
自分がそう言われてもそう言うだろうし、彼らがそれで「戦いを降りる」と言い出すような人間でないことも知っている。
だからと言って、それに甘えてしまうのが、蒔風は怖かったのだ。
だから、これは確認事項。
答えは解っているし、回りの人間も「わかってるくせに」と笑っている。
忘れないための、甘えないための質問だ。
「んなこと言って、俺らがいまさら降りるなんて言うと思うか?」
「無茶な戦いは今更。しかも相手は俺らの知り合いを好き勝手に使うんだぜ?もう俺らとしても許せないからな、あいつは」
そうそう、と皆が頷いていく。
その光景に安堵の表情で力が抜けていく蒔風。
そして何だか気恥ずかしくなってしまい
「まあ最初からわかってたけどな!!」
「お前最低だ」
そう言って指差し、ショウに突っ込まれる。
そうして笑いながら話を打ち切り、蒔風は再び確信する。
この仲間なら、勝てる。
セルトマンがどれだけのサーヴァントを繰り出しても、セルトマン自身にどんな力があっても、俺達なら必ず勝利を掴むことができる。
どんなに優秀なセイバーでも
どんなに遠くから射止めるアーチャーで
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