第六章 Perfect Breaker
父へと送る氷華
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た先達の意志を継承するためのもの!!それを、現世にしがみ付く悪霊がその身を使って騙っていいものではない!!!」
そして、ついにそのすべてが凍結する。
「終わりだ!!」
《ギギ・・・オノ・・・レ・・・・ハラオウン・・・・》
音声すら止まる。
その最後の言葉に、クライドは首まで凍ってなお、息子の姿を真っ直ぐ見据えながら天井を見上げて言う。
「当然だ。私の息子だぞ」
「エターナルコフィン――――」
「クロノ・・・・」
顎まで氷が迫り、全身が氷結していくクライド。
クロノがそれを発動させれば、その肉体は氷の粒子となって崩壊するだけだ。
そして、その一瞬前に
「アブソリュート・・・・・ゼロ!!!」
「大きくなったなぁ・・・・」
ザ―――――ァッ
「ッ――――――!ぁぁぁぁぁアアアアアアアアアアアアアア!!!」
クロノが叫ぶ。
その顔は―――――
空を覆い、エスティアがいくつもの氷塊へとバラバラに崩れていく。
砲台部はもちろん、機体部もガラガラと岩の塊のように。
そして、それがビルの上空になって一気に爆ぜた。
まるで空に咲く氷の華。
日光の光を浴び、そしてその氷の冷気は周囲の水分をも巻き込み凍らせ、そのカタチを成していく。
砕けた氷は空に幾つもの華を咲かせる。
艦にいた総ての物は氷となって砕け散り、その華を形作る一部となる。
華の型は多種多様。
それは――――偶然か、雪の結晶と同じ形をした物だった。
その形は一瞬で砕けて消えてしまうも、ハッキリとわかる形になっていた。
朝日を受けて、煌めく空の氷の華。
日光は七色の光を一瞬のみ映し出し、それが花弁を彩っていく。
いまこの状況は戦闘状態にもかかわらず・・・・敵味方問わず、感嘆の声を上げるばかりだった。
エスティアを追って降下していたクラウディアからはまどかと弦太朗が感動の声を上げ、地上では多くのメンバーが言葉を失う。
この数分に決着のついたプレシアも、地面に倒れ、消えゆく身体でそれを見上げる。
その身体を、二人の娘に支えられ、囲まれて。
砕け散る氷は、またその先で別の塊とぶつかり華を咲かせる。
その氷の中に、デュランダルを握ったクロノが立っていた。
バリアジャケットの裾には氷が張りつき、頬は赤く染まりきっていた。
だがそれがただ冷気だけによるものではないのは、顔に着いた氷の微粒子の中にある二本のラインが証明している。
衝突と開花を繰り返すことでだんだんと華は小さくなって行き、そして最後には完全に消滅していく。
最後に残るのは、キラキラと光り降り注ぐ氷
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