第六章 Perfect Breaker
父へと送る氷華
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したショウは、医務室の窓から飛び出していこうとする。
さらに、動かない体を無理やり起こそうとする翼刀。
だが蒔風はのんびりと腕を頭の後ろに回し、起こされたベッドの背もたれに寄りかかる。
「まあ待て、二人とも」
落ち着いた彼に、ショウと翼刀が振り返る。
そして、まるで自分のことのように自信を持って蒔風が空を見上げた。
「クロノに任せろ。あいつは、やると言ったらやる男だ」
落下する氷塊。
それの表面は大気とのぶつかり合いに削り取られていっており、周囲に氷の粒子をまき散らしながらやってくる。
もうすでにその形がはっきりと見える位置までやって来る。
すると、一気にその塊は形を変えて崩壊を始める―――――
「そうか・・・・氷の塊が落ちないよう、その全てを・・・・・」
「原子レベルで氷結!!見せ場だ、デュランダル!!!」
《YES.BOSS》
エスティア艦内で、唯一氷におおわれていない彼が、両手をかざし、横になってその前に浮く杖に叫びかける。
次々に凍り付き、そのレベルを上げていくクロノ・ハラオウン。
エスティアはその機体を崩壊させていく。
氷と氷が擦れるような音が、まるで断末魔のような悲鳴を上げながら。
だが、それもほどなく終わる。
この巨大な船が、まるで自転車のようにガタガタと大きく連続的に揺れ始めると、その断末魔は終わった。
代わりに、それを操る存在からの怨嗟の声が
《キサマ・・・ヨクモコンナ・・・・コンナコトヲォォォオオオ!!!》
恐らく、エスティアの人工知能を得ての自我だったのだろう。
その終焉に、悲鳴を上げていく「闇の書の闇」。
それに、クロノの代わりにクライドが応える。
「どうした。これくらい予測できなかったか?」
《センカンヲ、ゲンシレベルデ、ヒョウケツホウカイ!?ソンナコトガデキルナド・・・・》
自らの存在。
自我がなかったが故、それを再び手放すこと、その消滅に恐怖に似た声を上げる。
《ワレハヤミノショ!!エイエンヲタビスル、フメツノ、フメツノォォォオオオオ!!!》
「騙るなよ偽物」
しかし、その叫ぶ機械音声に、クロノが断罪する様に言い放つ。
「この世に闇の書なんてものは存在しない。貴様は偽物だ。歪み、濁り、自らの存在を忘れて暴走するだけの悪魔だ」
そう、この書は闇の書。
その闇を乗り越えた少女たちを知っている彼からすれば、今更そんなものに、彼が臆することなどない。
「永遠?不滅?なんだお前・・・・その程度か」
《ナニィ!?》
「この書の名は、夜天の魔導書!!その知を未来へと残し、その希望を託し
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