第六章 Perfect Breaker
父へと送る氷華
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止めていたのだ。
「一体・・・・」
「気付かなかったかもしれないですが、動力炉へと続くパイプにこいつを突き立てました」
クロノが壁へと歩いていき、それを小突くとガラスのように砕けてその向こうに本当の壁が見えた。
氷によって作られたガラスに映し出された壁。
その向こうにあった本当の壁は、すでに凍気によって完全に凍りつかされている。
その壁だけ、まるで雪山の氷壁のようだ。
ガラスの壁を崩した瞬間、冷気が一気に流れ込んでくる。
氷壁の中。
そこには穴があけられた壁と、突き立てられたデュランダル。
そこから伸びる動力パイプ。その終点部にある動力炉。
温度にして数千度もするその動力炉が、完全に凍結していたのだ。
「アルカンシェルを撃てたとして、何もない宇宙空間に無駄撃ちでは意味がない。この艦は砲台と艦が一体となっているタイプ。艦そのものの方向が変えられなければ、目標に向けることなどできない」
エスティアは最初の砲撃の後の冷却と再チャージのために艦の向きを水平に変えている。
つまり、このままアルカンシェルを放ったとしてその先には何もない宇宙空間。
消え去るのはせいぜい人工衛星だったガラクタか、そこらに散らばる名もない岩石くらいだろう。
そうしている間にもサソードの全身は凍りつき、ついにその身動きの一切が取れなくなってしまう。
そのまま氷は床を侵食し、弦太朗と天道は階段からクロノのいる上階へと逃げる。
「凄いな・・・・」
「すげぇ・・・・こんなにできるのかよ、あんた!!」
驚愕する二人だが、クロノは特に感動することもない。
クロノは表立った活躍こそないものの、いまだになのはやフェイトたちが敵わないだけの実力を持っている魔導師。
それに加え、凍結の魔力を最大限に発揮する、その系統最強のデバイス「デュランダル」だ。
戦艦の一つ凍らせるのは、彼にとって不可能ではない―――――!!!
「この部屋に行いた時点で、僕の勝ちだった。もうアルカンシェルは撃たせない」
「撃っても無駄」から「撃たせない」へ。
凍結は艦内を次々に踏破し、ついには砲台部の根幹へと至り砲台そのものを停止させる。
ガタックは長門をまどかに任せ、その凍結が足に及ぶ一瞬前にガタックエクステンダーに跨りその場を離脱する。
そして砲台部城に残ったエターナルは再生が間に合わず、なすすべもなく全身を氷に覆われた。
ゴゥン―――――
「これが今の僕の力です。僕がこの部屋に入った瞬間から、僕らの勝利は決定していた」
「ならば、私とのやり取りは・・・・気付かれないためか」
コクリ、と頷く。
クライドはバインドの
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