第六章 Perfect Breaker
再砲撃、承認
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狂気と咆哮に
紅く、蒼く、碧く
その中で、一際強くその意思を示した色は―――――
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ドサッッ
「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・・」
「ぐ・・・ぅ・・・・流石だ、クロノ」
エスティア・管制ブリッジ上階
下階に比べると狭いが、それでも十分に広く取られたそのスペースで、額から血を流しながらクロノが足元の人物を見下ろす。
バインドによって拘束されたその人物は、他ならぬクライド・ハラオウン。
一分と少しの攻防は、息子・クロノに軍配が上がったのだ。
「発射スイッチを押さなければ、アルカンシェルは発射されない――――スイッチを破壊すると言う手もあっただろうが、それでは電装系をいじれば発射は可能。なるほど、こっちを狙ったのはそう言うことか」
「こっちのスイッチを破壊しても、それじゃ意味がない。この艦には、あなたしかいない。ならば、抑えるのは貴方だけで十分だ」
「―――――そうかな?」
「え・・・・・」
クロノの考えは正しい。
確かに、アルカンシェルは発射スイッチを押させなければいいだけのこと。
スイッチ破壊の隙にクライドが別ルートからの発射を作動させては意味がない。
故に彼を捕えたのだが、クライドはそれだけでは終わらないと言う。
「思い出せクロノ。この艦には、一体何がいた」
思考を巡らせる。
後から追加される可能性はあるが、それを除いて考えると―――
カブトを襲った刃
砲台部でガタック達を抑えている敵
鹿目まどかを引き込んだ二又の刃
「敵はそれだけだったはず・・・ほかにもいると?」
「・・・・この艦の名は?」
「エスティア・・・・」
「そうだ。それは私が艦長だから顕現できたものだ。考えろ、クロノ。この艦には「私の物ではないもの」が存在していたはずだ」
「・・・・・まさか」
クロノが周囲を見回す。
正確には、このブリッジに入るための扉や通路を順番に。
そこから伸びているのは闇の書の闇。
その暴走プログラムが発していた、茨。
八神はやての時にはなかったものだが、これが父が相手をしたときの闇の書の所有者が蒐集させたものなのだろう。
これが管制プログラムを乗っ取り、エスティア全体に侵食。
ついにはクライドをも取り込み始め、脱出できなくなった彼は自身とエスティアごとこれをアルカンシェルで消滅させたのだ。
故に、勘違いをしていた。
その死に際の存在していたからこそ、部分的にそれが顕現されていたと。
しかし
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