第六章 Perfect Breaker
残滓の刃
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出される。
それを背景にしながら、二人は交差した。
デバイスを捨て、その腕でまどかへと拳を向けるオーガ。
そのオーガに向かい、弓を握ってまどかは走り抜けた。
当然、オーガならば対処もできるだろう。
しかし、その身体がガクリと止まる。
振り下ろしていく拳。
その腕を、黄色いリボンが止めていた。
それは容易に引き千切れるものだが、その一瞬をまどかは引きのばす。
ドシュッッ!!!と
止まった一瞬の中、弓の反りに生成した刃。それが、オーガの胴体を斬り裂き通過する。
交差した二人は、目を合わせずに止まっていた。
「・・・・それが、君の力か」
「ううん。これは、私の友達の力」
「そうか・・・・これが、今の世界を生きる君たちの強さなんだな」
決して一人だけではない力。
そも、この空間に来るだけでも皆の力を借りているまどかは、最初から一人で戦っているつもりなどなかった。
それを誇りとして胸に抱き、そしてだからこそ負けられない戦いであることを覚悟した少女は振り返り、自分の胸に手を当て、堂々と黒き騎士のライダーへと告げる。
「私たちは、一人じゃない。みんなで助け合える世界で、みんなで支えられる世界。あなたが見てきた世界がどんなにひどかったかはわからないけど・・・・この世界は、大丈夫だよ」
「大丈夫」と、その一言。
聞いただけでは不安しか残さないこの一言も、これだけの物を見せられては納得するほかない。
「そうか・・・・」
「でも、まだ完璧じゃないです。だから見ていてください。見守っていてください。あなたの、理想の世界に、近づくのを」
「ああ。そうするよ」
ザァッ―――――――
そして、風も起こらないこの空間で、木場勇治は崩れて行き、吹かれたように散って行った。
「・・・・行かないと!!」
その木場に少しばかりの黙祷を捧げ、まどかが先を急ぐ。
外壁を破壊することは可能だが、ここは宇宙空間だ。内部の空気がなくなるかもしれない。
簡単にぶち抜いて行ったフォーゼやカブトとは違い、回り込んで入り口を探すまどか。
エスティアの左側(カブトがいた場所とは反対側)へと回り込んでいき、入り口が見つからない彼女はそのまま砲台を破壊しようとそちらへと向かう。
もしも彼女がその場から下部を見れば、フォーゼが突っ込んで開け、そして隔壁の閉じた場所が見れただろう。
しかし、エスティアの上に立つ彼女からは見えない。
その代わりに、ふわりと浮いて砲台へと向かった彼女が見たものは―――――
「え・・・・・」
エターナルに首を掴まれて持ち上げられているガタックと、少し離れて地面に倒れてい
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