第六章 Perfect Breaker
残滓の刃
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これで殴ればそれはそれでダメージが期待できそうな程ゴツゴツしているが、本来の形でない以上それは望めまい。
しかし、これは両刃剣だ。
オーガストランザーを返し、今度は右側で再び上方から来る光弾を叩き伏せるオーガ。
今度の光弾は、弾幕ではなく初撃のような一撃だ。
つまり、必殺を込めた一撃。
それを見、しかし今更対処を変えられないオーガは、前進から唸りを上げ、その一撃に全力で対処した。
(今の状態で、あの一撃―――いや、一貫弾かれているから、あれ以上の攻撃だと思っていい。それを受けたら、さすがに砕ける!!)
そして砕ければ最後、あの少女は自分にもう一度一撃を入れてくる。
その時は、彼の敗北だ。
(まあそれでいいんだけど・・・・ただで負けてあげるほど、僕もお人好しじゃないんで!!)
試すと言った以上、手は決して抜かない。
すでに、オーガ―――木場勇治は、鹿目まどかをただの少女としては思っていなかった。
(この世界の一員として、そこで生きていく強さを――――見せてもらう!!!)
バキィッッ!!!という砕ける音。
ぶつかり合った刃と光弾は、数秒の拮抗を経て勝敗を決した。
勝者は、刃である。
その刀身は砕けることなく、黄金の刃は光弾を打ち消してなお曲げることなく。
刃に残ったダメージは確かに大きい。
とはいえ、彼女の弾幕は終わっていないだろう。
こちらのエネルギーは無尽蔵にと言えるほどある。
次の弾幕までに、エネルギーを再装填――――
「!!!」
そこで、オーガは自らの失敗に気付く。
そこからの行動は迅速であった。
鹿目まどかが、上空から消えていた。
瞬間、オーガは自らの死角。そして最初に思いつく死角となる場に向かって、オーガストランザーを振るった。
その位置は背後。
数ある死角の内、誰もが思いつく場所だ。
はたして、そこには確かにまどかはいた。
オーガは剣を振り返りざまに薙ぎ、それに反応してまどかは手にしていた矢を弓から外した。
そして、突き立てられる弓矢。
まどかはそれを、オーガストランザーの根元に突き刺したのだ。
即ち、実際にオーガが握っているデバイス部分。そのミッションメモリーのど真ん中に、まどかの矢が突き刺さった。
火花を散らし、ショートを起こすそれをオーガが投げ捨てると、とてもあの大きさからとは思えないほどの爆発を起こす。
だが、この二人にその爆発は関係なく、ただの背景として以上の意味はなかった。
会話はともかく、爆発などの音はこの場では通じない。
空気がない以上、それは当然だ。
無音の中、漆黒の宇宙空間に爆発の光景だけが派手に演
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