第六章 Perfect Breaker
残滓の刃
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できた。
後は、それを実行するだけ。
オーガの上空を逃げ回っていたまどかが、その動きを止める。
そして、ブワッ!!と一気に展開されていく陣。
何かの系図にも見えるような形をしたそれは、彼女の発射台だ。
その陣の中に点在する円形の陣それぞれに、エネルギーが蓄積されていく。
「むっ・・・!!」
それを見て、オーガが薙ぎ振るう剣の腕を止める。
通常の剣の大きさにまでストランザーを引っ込め、先端をまどかに向けたまま腰に据える。
そして、両者は同時に動いた。
「せぁっッ!!」
「えいっっ!!」
キュドドドドドドドドドドゥッッッ!!!
無数に放たれる桜の光弾。
その中を、流れに逆らって突き伸ばされていく一筋の黄金。
光弾は少し捻られながら突き出されてきたエネルギーによって次々にかき消されていき、しかしその分、その刃のエネルギーを砕いて削って行っていた。
「これは――――キツ・・・・!!」
「はぁあああ!!!」
しかし、それでも優位なのはオーガだ。
刃を削りきらなければならないまどかに対し、オーガの対処は楽だ。
何せ、矢はすべて自分狙い。放っておいてもこっちにくる。
いくら弾幕だろうが、螺旋状の軌道を描いて飛んでこようが、その根元にいる自分に向かってくるのだから、剣を捻ればそれはすべて弾き落とせる。
その分の刃は矢は削れるだろうが、オーガは勝たなくともいいのだから焦りはしない。
いざとなればこの場から跳び退いて回避でもすればいい。
「もっと・・・・」
しかし、オーガは知らなかった。
彼女もまた、彼がかつて対峙した男と同じように
「もっと!!!」
諦めの悪い、ある種の「頑固者」だと言うことを。
ゴォォオオオオオオオオオッッッ!!
「ォうっ!!!」
弾幕の「濃度」が増した。
先ほどの弾幕の隙間を潰すように、更に弾幕を。
そして新たに、回り込んで飛んでくる光弾もある。
それら一撃一撃は、確かにこの装甲を貫くには威力は低いかもしれない。
だがこの光弾は、威力の不足を補ってなお余りあるだけの数がある―――――
すべてに対処するために、取る方法はただ一つ!!
「ハァああッッ!!!」
先端がまどかへと届きそうだったオーガストランザーを、左右に揺らしてから勢いをつけて振り抜く。
上部から襲いくる光弾を一旦消し去り、そして次に横から飛来してくる光弾を一掃する。
回転切りの形で振り回してそれを打ち払うオーガだが、その圧倒的な数はさばききったとして刃に甚大な被害が及ぼされる。
振り回したのは、反時計回りに。
つまり、剣の左側はすでに砕けてボロボロだ。
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